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FCV量産を後押しする規制改革
安倍晋三首相は「アベノミクス」の第3の矢に位置付ける成長戦略として、燃料電池自動車(FCV)量産のカギを握る水素容器規制の抜本的見直しを表明した。FCV普及に向けて大きく一歩を踏み出すことになり、イノベーション創出を後押しする規制改革と評価したい。
FCVはCO2排出を大幅に抑制できる優れた環境性能、長い航続距離、短い充填時間などから次世代自動車の有力候補として電気自動車(EV)とともに期待されている。日本企業は、燃料電池など要素技術の優位性に加えて、蓄積した摺り合わせ生産技術によって国際競争力も見込める。トヨタ、ホンダ、日産の大手自動車メーカー3社を中心に開発が進められており、経済産業省もFCV普及を後押ししてきた。
2011年1月には自動車3社とエネルギー事業者10社から、15年までにFCVの国内市場投入、水素スタンド100カ所程度を整備する共同声明が発表された。15年を普及開始初年度として、25年までにFCV200万台、水素スタンド1000カ所を実現、自動車産業の新たな飛躍を目指すことになる。
この際の障害として懸念されるのが、新技術に対応した規制の整備が遅れていることだ。とくに高圧水素を取り扱うFCV本体、輸送、水素スタンドに関する規制は、経産省の高圧ガス保安法、国土交通省の道路運送車両法など多くの法律が存在する。欧米、カナダ、韓国では車両と高圧水素容器を同じ規制の中でパッケージとして捉えて基準の調和を図るとともに、外国との相互認証を進めている。日本は先端技術開発で先行しているにもかかわらず、規制そのものが未整備で、法規間の整合性確保も遅れている。
FCVの航続距離延長には水素タンクの高圧化が迫られる。現状は35メガパスカル(350気圧)だが、70メガパスカル(700気圧)が導入できるようになると、航続距離500キロメートルが可能になり、水素充填作業も軽減される。このほか海外では採用されているクロムモリブデン鋼など材料規制の見直し、水素スタンド建設における商業施設、住宅などの保安距離規定の見直しにも踏み切り、スタンド建設コストを引き下げる。
FCVの輸出競争力を確保するためには、高圧ガス容器・付属品の相互認証制度が高圧ガス保安法で整備されていないことも問題である。
安部首相は「(FCVは)がんじがらめの規制の山だ。一つずつモグラたたきをやっていても、実用化にはたどりつかない。今回一挙に見直す」と宣言した。セダンタイプのFCV価格500万円が視野に入ることも期待できるだろう。