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世界に広がるスシ文化
初夏の候、新鮮な魚介類を求めて東京・築地の場外市場も賑わいをみせているようだ。この時季、市場には新鮮な鱚(きす)やカマス、新子、鰹、鱧(はも)、鱸(すずき)などが並ぶ。いずれも、初夏の季語である▼かつて、檀一雄さんが一押しとしたのが、鰹のたたきだった。厚く切ったカツオに薬味を多めに乗せる"檀流クッキング"だが、「日本人として、日本の好季節の一番痛快な食べ物」と説くところが心地いい▼スシが、国際語になって久しい。健康食としてのブランドは一級品だろう。たとえば、北欧のノルウェー。魚は身近だが、生食の習慣はないこの国でもスシブームが起こっているようだ。もっとも、そこで提供されるのはマンゴーやイチゴ、ナッツ類、チーズなどの組み合わせで、魚はサーモンがかろうじて顔を出すぐらいらしい▼回転寿司も、世界のスシブームを演出する立役者だ。シャリを握るロボット最大手のS社は、海外での販売が好調で工場の増強に踏み切るという。年産能力は1万台、輸出先は100カ国に増える見通しだ▼「飯炊き3年、握り8年」といわれる寿司職人の世界。ここでも、グローバル人材の育成も視野に入れた"アカデミー"への若者の関心が高い。産業競争力の強化も大事だが、食文化というソフトの威力も捨てたものではない。