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CFRPリサイクル技術開発を急げ
炭素繊維強化樹脂(CFRP)の自動車展開が本格化している。トヨタ自動車は、CFRP製部品を大量に使った高級車「レクサスLFA」500台を生産して人気を博した。引き続き熱可塑性樹脂を使ったCFRPの技術開発で生産性や信頼性を高め、2020年にも量産車販売が視野に入ってきた。並行してCFRPのリサイクル技術確立を加速してもらいたい。
自動車材料としては、鋼板や鋼材など鉄比率(重量)が4分3程度を維持している。燃費削減やCO2排出抑制が迫られるなかで、アルミや樹脂への材料転換が期待されるものの、現状の構成比率はそれぞれ10%程度に止まる。樹脂はバンパーを除くと内装材中心である。
CFRPはフィラメント・ワインデング(FW)成形によってプロペラシャフトなどに使われた時期もあったが、搭載車の販売伸び悩みもあり用途を広げることはできなかった。リサイクル性、耐熱性能、コストなども普及を阻害した。ここに来て軽量、強度、硬さ、寸法精度、導電性、意匠性などが再評価され、構造材への再挑戦が始まった。燃料電池車の水素タンクなど機能材展開も含め、自動車メーカーの期待も高まり技術開発が推進されている。
鋼材など既存素材に対抗するには、マトリクス材料をエポキシ樹脂など熱硬化性樹脂から、ポリプロピレンに代表される熱可塑性樹脂に代替することが急がれる。並行して成形加工技術のブレークスルーが重要だ。航空機部材向けCFRP量産技術として確立されているオートクレーブでは、成形サイクルや高コストの壁があり、自動車構造材料としては競争力がない。プレス成形や射出成形で、サイクルが短く生産性の高い技術が不可欠になる。
もう一つの課題は、CFRPのリサイクル技術だ。安定した材料だけにリサイクルは簡単ではない。現在は溶鉱炉熱源とするサーマルリサイクルのほか、コンクリート補強材向けにマテリアルリサイクルが実用化段階にある。しかし循環型社会構築の要望に対応するには、より高度なマテリアルリサイクル技術が求められる。
すでに酸化物半導体の熱活性(信州大学)、過熱水蒸気(JFCC)、常圧溶解法(日立化成)、超臨界・亜臨界流体(静岡大学)、CFRP廃材の熱分解ガス(カーボンファイバーリサイクル工業)を利用した技術開発が進んでいる。CFRPを採用した廃自動車の発生は相当先になろう。しかし、生産工程(インプラント)で発生するCFRP廃棄物の増加が確実なだけに、先手を打った技術開発を期待したい。