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2013年04月22日 前へ 前へ次へ 次へ

押し寄せる電気料金の値上げ

 この夏の電力事情はどうなるか。経済産業省の小委員会が、あす23日に報告書をまとめる。2010年なみの猛暑でも、節電が維持されれば全国の供給予備率は3%以上を確保できる見通し。政府は数値目標のない節電要請を発動することになりそうだ▼大震災以降、2回の夏をしのいできた。電力各社は供給力拡大を進めた。製造業など需要業界は生産調整や休日・夜間シフトでピークカットに協力した。自家発を新増設した企業も多い。そして3度目の夏。必要最低限の余力が確保できるとはいえ、綱渡り的な状況がなお続く▼需給ひっ迫が回避できそうだとしても、もう一つ頭の痛い問題がある。原発停止分を穴埋めする火力発電の燃料費の膨張である。13年度は円安の影響で前年度より7000億円増え、3・8兆円に達すると試算されている▼電力各社に一層のコスト削減を求めるにせよ、徐々にその余地は減っていく。結局は家庭や企業の電気料金に跳ね返る。今月分から3カ月連続で値上げされる予定だ▼火力発電の燃料費増と莫大な国富の流出は、これまでも繰り返し指摘されてきた。円安で事態は深刻化しているが、本質的には為替問題ではない。このままでは発電コストが日本経済の弱体化要因となる。燃料調達のバーゲニングパワー強化という論点が緊急性を帯びてきた。


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