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2013年04月18日 前へ 前へ次へ 次へ

色あせた知財立国構想と弁理士過剰

 2・26事件で暗殺された高橋是清は、首相のほか6度の大蔵大臣として辣腕をふるった。戦前を代表する政治家の一人で、経済危機のたびに"平成の高橋是清"待望論が湧き起こる▼高橋是清の功績で忘れがちなのが特許制度を導入。日本に発明や商標を保護する規定がないと、欧米から批判を受けるとして専売特許条例制定に尽力した。その公布が1885年(明治18年)4月18日。特許庁はこの日を「発明の日」に制定、毎年「知財功労賞」を表彰する▼化学は特許など知財が経営戦略の中核となる産業だけに、小泉政権時代に打ち出された「知的財産立国」への関心も高かった。モデルとなったのは米国。レーガン政権時代に優れた技術開発力が、産業競争力に貢献していないという危機感を背景に国家戦略として推進された▼日本の大学も"論文より特許"に転換したものの、産業界の期待に沿う質の高い特許は少なく、特許の維持コストに悲鳴をあげている。知財立国構想は色あせるなかで、弁理士は急増した。が、特許出願数は伸び悩み、仕事確保に汲々とする▼実務体験の不足で若手弁理士は自信喪失に陥りがちという。弁理士会は「弁理士育成塾」を立ち上げ、人材育成に乗り出す。弁護士やポスドク過剰問題とも共通する。政策の一貫性欠如で優秀な若者を生かしきれない。


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