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官民連携で途上国向け医薬品開発を
開発途上国では、医薬品を含め医療へのアクセスが十分でない地域が残されている。世界保健機関(WHO)など様々な機関が保健医療改善を支援する活動を進め、日本の製薬企業もその一翼を担ってきた。日本の活動は遅れ気味だったが、このほど官民パートナーシップ「グローバルヘルス技術振興基金」が発足した。途上国向け医薬品開発の加速を期待したい。
グローバル化の進展によって、地球規模で解決が迫られる課題が増えている。保健医療に関連するものを「グローバルヘルス」として各国政府、国際機関、民間企業・団体などが連携して取り組んでいる。エイズ、マラリア、結核の三大感染症のほか、貧困に起因して蔓延しているNTDs(顧みられない熱帯病)など途上国に集中している疾患が多く、10億人を超える患者が苦しんでいるとされる。
このことは、製薬産業にとって無限の可能性を有する市場の存在を示すものだ。グローバルに事業を展開している欧米製薬企業は、新興国や途上国で着実に拡大する医薬品需要の開拓を進めているが、日本企業は国内ならびに欧米先進国市場に偏っている。日本企業も三大感染症およびNTDs関連医薬品の開発に着手しているが、成長戦略として新興・途上国市場強化が迫られる時代である。
途上国支援という企業の社会的貢献の視点もあるが、長期的経営戦略に位置付け、企業活動の原点である収益を重視することが特徴だ。市場の将来性に着目して年間3000ドル以下の低所得層市場に展開するBOPビジネスと発想は同じである。
設立したグローバルヘルス技術振興基金は、アステラス製薬など製薬大手5社とゲイツ財団が出資した。並行して外務省と厚生労働省は国連開発計画(UNDP)を通じて支援体制を講じることで、官民パートナーシップとして推進する。
工業製品と違って医薬品特有の問題も存在する。その一つが「強制実施権」。貿易関連知的財産(TRIPS)協定で、各国政府は生命の安全を守るため緊急避難的に医薬品供給を強制発動させることを認めている。製薬企業も合理的措置と判断している。ただ、発動に透明性や合理性を欠く決定があると懸念する。新薬開発のインセンティブ、健全なグローバルヘルス活動を阻害してはならない。
世界的に増大している偽造医薬品の脅威も大きくなっている。その流通量は750億ドル、途上国では10-30%が偽物とする報告もある。知的財産権に関する途上国も含めた共通認識形成が急がれており、内外の製薬企業は連携して各国政府や国際機関に働きかける必要がある。