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見直される「安定成長」重視の経営
安倍政権の経済政策によって、円高是正も進み、輸出型産業を中心に明るさが戻ってきた。産業界は10年来の守勢一辺倒から、ようやく反転攻勢ののろしを上げたところだ。勝つためのビジネルモデルのキーワードとして再評価されているが「安定成長」。変動の激しい事業を遠ざけ、得意分野で勝負をかけようとしている。
三菱ケミカルホールディングスの小林喜光社長は、中期経営計画の後半戦に向けて「変動の激しい事業とは距離を置く」基本路線を明確にした。「10年単位でみれば3年間儲かって、7年は維持するのがやっと」という石油化学は収益が読みにくい。利益を依存する製薬事業も、2年ごとの薬価改訂による数百億円の目減りを補完していくのは並大抵ではない。こうした中で「リチウムイオン2次電池や発光ダイオード、有機ELあたりで世界一のポジションをとれればよい会社になる」と高機能部材事業を強化する経営戦略を堅持する。
市況変動に左右されない安定成長路線の模索は、韓国勢との投資競争が激化したエレクトロニクス業界から始まった。半導体の中でも需給変動の波が大きいDRAM価格は、1年間に数倍も上下するのはざら。大儲けもできるが経営を左右するほどの大赤字も出す。経営破綻した大手半導体企業を見てもハイリスクは明らかだ。
2009年3月期に製造業で最大となる7000億円以上の純損失を出しながら、V字回復を果たした日立製作所も半導体などボラタリティの大きな事業を遠ざけ、重電などの社会インフラ事業に軸足を移したことが奏功した。10年に社長に就いた中西宏明社長は自らが長年手掛けてきたハードディスクドライブ(HDD)事業を売却するなど、事業再構築を推進し、安定成長モデルを定着させた。
新たな成長に賭ける小林社長と中西社長には共通点がある。両者とも海外経験が豊富で、グローバルな視点で事業を客観的に判断する術を身につけた。きめ細かな対応を求められるエンドユーザー向けの商品を扱ってきたことも似ている。
小林社長は、メディア事業の「バーベイタム」ブランド育成で手腕を発揮、現在はその資産を次世代照明などのグローバル展開に活かそうとしている。中西社長は米大手2社が君臨するHDD業界にあってサプライチェーンを再構築、競争力を確保した。コンシューマー製品のうまみもリスクも知り抜いたうえで、世界有数の「社会イノベーション企業」を目指している。日本経済の復権に向け、安定成長戦略がいかに貢献するか、注目したいところだ。