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【連載(上)】プラ食品容器業界 収益確保へ"変革"
原価低減・付加価値化に腐心
改善徹底し対応力高める
原材料価格の上昇や消費者ニーズの変化とともに、プラスチック製食品包装容器業界が構造変革を迫られている。コモディティ品と付加価値品という市場ニーズの2極化が進むなか、プラ食品容器メーカーは製造原価低減など徹底した社内改善を進める一方、付加価値が高く価格競争力も有する新シート・容器を投入することで収益基盤の強化に努めている。
(細井康弘)
※PS値上げが影響※
「安定収益を確保するため、あらゆる対策を講じる必要がある」。プラ食品容器メーカーの国内最大手であるエフピコの小松安弘CEO(最高経営責任者)は、業界を取り巻く環境変化に危機感を募らせる。
各社の収益に大きな影響を与えているのが主原料の1つであるポリスチレン(PS)価格の上昇。国内PSメーカーは年明けに値上げを実施したばかりだが、ナフサやベンゼンの高騰を受けて再値上げを打ち出した。
昨年末には大手物流業者が関東域内における物流費の値上げを表明した。プラ食品容器メーカーにとっては一年のなかで出荷がピークとなる年末年始の繁忙期に対策を迫られることとなった。
物流業者の値上げに対して、一部大手メーカーは例年より前倒しで営業活動や物流手配を行うなど事前に準備を進めたため大きな混乱はなく事態を収拾したもよう。大手各社はすでに自社物流体制を構築しており、緊急時以外では今回のような値上げもそれほどの影響はないとみられる。ただ、今回の一件を含めて「業界の先行きは非常に不透明な状況」(小松CEO)と強調する。
デフレや低価格・節約志向など消費者の生活防衛意識の高まりで、スーパーマーケットや百貨店、コンビニエンスストアといった小売市場の売り上げは伸び悩んでいる。そうしたなかで、食品容器業界では製品価格への転嫁が容易ではない。
※輸入原材料を使用※
メーカー各社は持続的な新製品投入により付加価値品へのシフトを急いでいる。また、原材料高騰などにともなう製造原価上昇を最小限抑えるために生産合理化や不採算取引の見直しに加えて、グローバルな資材調達に乗り出している。
「国内原材料との品質格差はなくなってきている」。輸入原材料について業界大手の中央化学の宇川進社長はこう指摘する。数年前まではほとんどなかった輸入PSが急速に存在感を高めており、年間で10万トン近くを占めるとみられている。
「以前は輸入原材料の品質に対する不満やリスクは大きかった」(宇川社長)が、製造技術の向上により国内原材料を使用した場合との品質格差はなくなってきているという。昨今の円安傾向を背景に輸入品が増加するどうか予測は難しいが、中央化学は親会社の三菱商事のネットワークを活用し「柔軟に対応していく」(同)と話す。
ここ数年、プラ食品容器業界では需要が堅調な非晶性ポリエチレンテレフタレート(A―PET)を使用した透明容器の販売を増やし、収益確保につなげる動きが目立つ。原材料価格の上昇や企業間での競争が激化するなか、柔軟な素材戦略で市場変化への対応力を高めている。
(了)
【写真説明】プラ食品容器業界は原材料費・物流費上昇の影響を大きく受けている