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可能性大きい化粧品産業の海外展開
化粧品産業は年間出荷額1・4兆円、製造業全体に占める比率は約0・5%の規模だが、医薬品と並ぶ高付加価値型化学産業に位置付けられる。しかし世界の有力化粧品メーカーと比較すると、収益力やグローバル展開など課題も多い。国内市場が成熟する中、新たな成長戦略を進めるために優れた技術・製品開発力を武器に海外市場の開拓が急がれている。
日本の化粧品メーカーは、ブランド力を生かして安定した利益を確保している。しかし仏ロレアルの営業利益率は16%台、これに対し国内トップの資生堂でさえ約6%と大きな差がある。資生堂は海外売上高比率40%台を確保しているが、10%超になっている化粧品企業は少なく、60%台半ばを国外市場に依存しているロレアルとの差は決定的だ。化粧品の輸出入バランスも入超が恒常化している。
日本企業も中国を中心にグローバル展開に乗り出し、スキンケアなどで消費者から高い評価を受けている。それでも圧倒的広告宣伝費を投入する海外メーカーの物量作戦を前に、シェアの差は広がる傾向にある。
一方で、国内の化粧品市場は1990年代半ばに1・4兆円となったものの、その後は横ばいに推移している。単価ダウンの影響も無視できないが、今後は少子高齢化が進行することで、国内市場の縮小は避けられないだろう。
化粧品の成長戦略を模索するには、海外市場を開拓する以外にないという認識は大手メーカーを中心に広がっている。大学や医療機関と連携した皮膚科学など科学的エビデンスに基づく製品開発では先行してきた。さらに化粧品原料などのすそ野広い産業集積があり、成長するアジア市場に参入するための条件は整っている。
化粧品の輸出拡大に向けて、経済産業省も支援を打ち出した。日本の貿易黒字を稼ぎだしてきた組み立て産業の競争力が低下、海外へ生産移転が進む中で付加価値が高く、雇用創出力のある産業が待たれている。日本の化粧品は高品質、安全・安心を可能とする高度な摺り合わせ技術、きめ細かな商品サービスなどが特徴で、政府の進めている"クール・ジャパン"ビジネスの一翼を担えるだろう。
経産省は化粧品の輸出拡大支援地域として、これから本格的に市場が立ち上がるASEANが有望と判断する。中間所得層市場が拡大しつつあるタイ、マレーシア、インドネシアなどで現地の大使館やJETROなどと連携して各種イベントを開催する。国内に依存しがちな最終商品事業のグローバル展開の先導役としての期待も大きく、政策支援の強化を望みたい。