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2013年02月21日 前へ 前へ次へ 次へ

合繊産業再生に向けたシンポジウム

 最近発表された世界の化学繊維の生産統計に改めて衝撃を受けた。中国比率が70%を突破する一方、日本はわずか1%台。石油化学などに先行して輝かしい時代を切り拓いてきた合繊産業の凋落に寂しさを感じる▼合繊企業の中で旭化成、クラレは株式欄を「化学」に移して久しい。繊維で安定した収益を確保しているのは東レくらいで、繊維銘柄になっている合繊企業も非繊維事業が柱になっている▼伝統ある合繊事業をどう再生させるかをテーマに「先端繊維素材シンポジウム」が開催された。その答えは、化繊協会の坂元龍三会長の「量的存在感は小さくなったが、技術開発力による高性能・高機能繊維への展開がわが国合繊産業の目指すべき方向」という言葉に集約されるだろう▼可能性の大きい環境・エネルギー、航空機・自動車、安全・安心で快適な衣料を中心に講演、意見交換が進んだ。先端素材事業で成功するキーワードは素材、加工、最終製品の連携だ。土木建築分野からは「コンクリートや鉄から高分子素材へ」。自動車部材としては「有機系材料の限界を超える加工技術の開発とコストダウン」。そして「消費者が実感できる優れた素材」など求められた課題は多い▼衰退した事業をどう立て直すのか、わが国産業の直面する大きな課題だ。合繊業界の挑戦を見守りたい。


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