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弱体化するモノ作り力にテコ入れを
エレクトロニクス業界におけるモノ作り力の弱体化が、製造装置や部材ビジネスに変化をもたらしている。今後の戦略製品の試作すらできないセットメーカーが増えており、次世代材料の主要販売先は海外企業へと移っている。産業発展の礎である研究開発基盤が脆弱化している証左だが、日本経済再生のためにも産官学が一丸となったテコ入れが望まれる。
国内最大のロジック半導体会社であるルネサスエレクトロニクスと富士通が今月上旬、大規模な再建策をまとめた。両社に共通するのは、生産を他社との協業に移すことで固定費を削減することである。この10年、こうした自前のモノ作りからの脱却がエレクトロニクス大手企業の事業再建パターンである。組立工場の海外移転もあって国内のモノ作り基盤の脆弱化は危機的状況にある。
業界関係者は「国内では新製品の試作品すら作れなくなった」と、深刻な事態を指摘する。研究開発施設だけはかろうじて国内に残し、新たな収益の柱を育てようにも、実際のモノ作りは試作段階から海外企業に頼らざる得なくなっているようだ。
このような動きは製造装置や電子部材関連業界に瞬時に伝わる。ある精密加工メーカーは、5年前から次世代半導体実装に関する試作依頼が増えているという。かつてならNECや富士通などの垂直統合型企業がコア技術として社外秘扱いにしてきたような先端技術でも、生産設備や人材も不足していることで外注せざる得ない状況だ。
一方で技術革新のスピードはますます速くなっている。電材大手からは「これまで話題にもならなかった誘電率の値が問題になってきた」などと、迅速に新材料を開発しなければならない環境になっている。このように技術のハードルが高くなること自体は差別化につながるものとして、悪いことではない。ところが面白いのは、実際に新材料を使って試作するところが多様化していること。資金力が低下したエレクトロニクス企業ではなく、機械や設備機器など異業種ともいえるところが手掛けるケースが増えつつある。
このためか、数年先に実用化される戦略製品と位置付けていた次世代材料の売れ行きが好調という。量産は数年後だが、研究開発と試作のために次世代材料のニーズは各方面で高くなっている。日本がエレクトロニクス技術で世界を制した時代は過去のことになった。放っておけばいずれ研究開発施設すら海外に移り、完全に空洞化してしまいかねない。雇用対策としてもモノ作り回帰を進める米国を参考にしたい。わが国も手遅れになってはならない。