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2013年02月18日 前へ 前へ次へ 次へ

始まる賃上げ交渉と石油製品の値上がり

 大手製造業の労働組合が13日、一斉に要求書を提出し、経営側との賃金交渉が本格スタートした。もはや過去の遺物とも揶揄される春闘だが、今年は安倍晋三首相が直接、経済界に異例の賃上げ協力を要請したもとでの幕開けだ▼2%インフレには内需喚起が欠かせない。そのためには雇用者の所得増が必要になる。麻生太郎財務相も、企業の内部留保を賃上げに活用すべしとの認識を示した。内閣ツートップの発言は重いが、六重苦に苛まれてきた製造業の懐事情はなお厳しい▼業績連動型賃金体系の企業なら、労働分配率が維持されれば業績回復分が賃金・賞与に回る。が、それは大手の一部に限られること。賃上げを必要とする中小企業は事情が違う。加えて労働者の3分の1が非正規になっている現実もある▼円高是正が急速に進み株価も上昇してきた。景気の底入れ気配が感じられるが、先行きが明るいとは言い難い。個人消費を拡大させる方向に金が回り始めるにはまだ時間がかかる▼その一方、ガソリン価格が先週まで10週連続、灯油は11週連続で値上がりした。円高是正のいわば副作用だが、国民の所得増に先行して波及効果の大きい物資の価格が上昇する構図は座視できない。景気回復を確実に引き寄せるために、政府が賃上げを後押しする施策を打ち出してもいいはずだ。


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