ニュースヘッドライン記事詳細

2013年02月15日 前へ 前へ次へ 次へ

【連載(下)】在華日系化学商社 ビジネス拡大へ攻め

内陸進出やアジア強化も

 化学関連商社の中国ビジネスは、顧客の進出に合わせた展開や日系企業向けの現地販売が多い。このため立地も香港を除けば大半が上海市内。ただ近年、中国の経済成長を引っ張っているのは内陸部で、政府も中西部や東北部の経済振興に力点を置いている。東部沿岸地域の人件費の上昇もあって内陸部の産業基盤は急速に拡大している。

※拠点づくり活発化※
 2007年に成都(四川省)、12年に蘇州(江蘇省)に分公司を設立したKISCOの上海現法・吉世科貿易(上海)有限公司は「早い段階で天津と武漢(湖北省)にも事務所を開所したい」意向を示している。同じく武漢を候補地とするのが鍋林の上海現法・鍋林(上海)貿易有限公司。「自動車・電子関連産業が盛ん」なことを主な理由に挙げる。同社は深(広東省)と大連(遼寧省)に分公司があり、天津には大連の事務所を構えている。
 丸善薬品産業の上海現法・丸屋化学貿易(上海)有限公司は、華北と華南の両地域に拠点を開設しようと検討している。岡畑興産の上海現法・岡興(上海)貿易有限公司は、中国の化学品メーカーの進出が増えている内モンゴル自治区に今年中に営業所を開所する計画。オー・ジーの上海現法・上海欧積貿易有限公司も中国国内ビジネスを伸展させていくため新たな拠点づくりの検討を進めていく。
 プラマテルズは中国で上海・天津・大連・深・香港に現法を有している。上海現法の普楽材料貿易(上海)有限公司は「内陸部や北部での提案販売活動にも力を入れていく」方針で、11年秋に合肥市(安徽省)に設置した出張所を足掛かりとしたり、倉庫を持つ山東省で物流を含めたビジネスを構築したりしながら営業地域を広げていく。

※中国品ニーズ狙う※
 東南アジアにも現地法人や駐在員事務所を擁している化学関連商社は多い。自動車をはじめとした産業を原動力に目覚ましい経済発展を遂げる東南アジアは、域内では入手困難な原材料などを中国から調達している。東南アジアがより一層発展していくことにともない、東南アジアで生産を行う企業から「コスト競争力があり、安定した品質と供給が担保された中国品を求める」声がますます高まってくるとみられており、化学関連商社も各国の現地法人との結びつきを今まで以上に強固にしていく。
 東京材料は上海・天津・広州・香港の4つの現地法人を統括する中国代表と、昨秋に新設したタイ・インドネシア・シンガポール・ベトナム・インドの現地法人をまとめるアセアン代表との連携を深化させながら中国と東南アジア間の貿易を拡張させていく。三洋貿易のタイ・ベトナム・インドの現地法人と協調を図っていくのが三洋物産貿易(上海)有限公司で、すでに「各社が強みとする商材の輸出入が進展し始めている」。

※最適な場所で調達※
 共栄商事の上海現法・共華貿易(上海)有限公司は「北京と成都の事務所との連携のもと、中国と東南アジア間でコスト競争力をはじめ特徴ある商材を最適な場所から調達できる」体制を整えていく。白石カルシウムの上海現法の白石カルシウム(上海)国際貿易有限公司は11年から中国でシンガポール・マレーシア・インドネシア・タイ・インドの現地法人などと会議を開いている。今年は上海現法が東南アジアのユーザーのもとにその国の現地法人の担当者と一緒に商材を売り込みにいく。
(了)

【写真説明】在華日系化学商社は東南アジアを巻き込みながらビジネス拡大を目指す


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.