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2013年02月14日 前へ 前へ次へ 次へ

【連載(上)】在華日系化学商社、ビジネス拡大へ攻め

「次の柱」育て収益力向上

 中国の日系化学関連商社が攻めの施策を講じ始めた。収益源となる新しい事業の柱の構築や新拠点設立が目立つ。東南アジアでは「同地域内で手に入らない、コスト競争力を有する中国製商材を求めている」(日系部材メーカー)ことから、中国と東南アジア間の貿易を強化する動きも活発化してきた。日中関係は政治面で冷え込んでいるものの、経済面では大半の企業がいぜん中国を重要市場と位置付けており、広く深く根を下ろすことで中国ビジネスを大木に育てようとしている。(上海=池田旭郎)

※液晶、医薬に注目※
専門商社連載上.jpg 日系化学関連商社は既存ビジネスを伸ばしていくことはもちろん、成長速度を加速させたり特定産業の不振への影響を軽減をすることなどを目的に、収益を支える事業を複数立ち上げようとしている。
 目のつけ所は各社多様だ。ただ、中国市場における振興分野に注目する商社が多い。大型液晶ディスプレイは中国の生産規模が拡大し、部材供給が従来の韓国・台湾向けから中国向けに切り替わりつつある。スマートフォンやタブレットPCも同様。ファインケミカルでは医療費削減を目指す世界的趨勢のなか、後発薬を中心に医薬中間体で中国の存在感が一段と高まっている。自動車分野では生産台数拡大と同時に品質志向や環境対応・省エネルギー化の要求が強まっており、高付加価値部材、原材料のニーズが右肩上がりで伸びている。

※グループ力生かす※
 「電子材料、医薬品中間体、医療機器を伸ばしていく」というのは、自動車部材用素材と環境関連商材の両翼で成長を続ける小西安の現地法人・小安貿易(上海)有限公司。液晶用商材に続いて自動車関連素材も育ってきたダイソーケミカルの現法・大曹化工貿易(上海)有限公司は、次の収益増大の牽引役として印刷関連商材とコンパウンドビジネスに力を入れている。
 自動車部品やOA機器向けなどで使用されるゴム関連商材を主力とする加藤産商の現法・慶登商(上海)貿易有限公司は、「グループで浙江省嘉興市でモノづくりを行う埼光橡塑(嘉興)有限公司との連携をより密接にしていきながらカーボンマスターバッチを拡販していくとともに、合成樹脂・加工品・中国メーカー製のゴム加工ならびに樹脂成形用機械設備の取り扱いも強化」する。
 電子材料・繊維強化プラスチック・高機能フィルムを事業の3本柱に据えるモリマーグループの森修国際貿易(上海)有限公司は、次世代型静電容量方式タッチパネルの製造過程で用いられるウォータージェット切断システムのほか、壁紙やユニットバスと住宅関連にも狙いを定めている。

※環境・省エネ商機※
 「中国政府の重点投資分野を注視する」のは、北村化学産業の中国拠点・上海北村夏和商貿有限公司。とくに環境・省エネルギー・新素材にかかわる原材料の品揃えを充実したい考え。
 それぞれが得意とする手法で新規顧客や新規市場開拓に努める企業もある。ソーダニッカの現法・曹達日化商貿(上海)有限公司は有機溶剤でビジネス基盤を築き上げている実績を生かし、上海拠点を軸に華東地域での新規ユーザー獲得に力を注いでいる。山本通産の現法・上海偉帝希商貿有限公司(ytc上海)は、優れた技術力を有する日本メーカーと協力しながら、中国で未成熟な市場を深耕し成長の果実を実らせていく。
(了)

【写真説明】医薬関連分野を新たな収益の柱に育てたい在華日系化学商社が目立つ


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