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【2013挑戦】帝人 大八木成男社長
高機能繊維を車向けに拡大
▼...2012年を振り返って
「11年と異なり、災害などがなかったにもかかわらず大変厳しい一年となった。さまざまな要因が絡み合った複合不況ともいえるだろう。一方、マクロの視点でみると高齢化の進捗、健康問題などで『安全・安心を買う』市場は大変順調に推移している。今年は明るい図を描いている。将来の危なさは残るが、今後の政策や公共事業においてメンテナンス投資も進んでいくだろう」
▼...成長戦略の柱は
「世界の自動車産業の伸びは12年が7%。自動車産業が伸びるという前提でみればアラミド繊維、炭素繊維・複合材料は明るい。ここから帝人を変えていく。アラミド繊維は需要の半分がブレーキパッド、タイヤの補強材などの自動車関連。炭素繊維も一気にまったく違う時代に入っていくだろう。この準備を昨年稼働した松山事業所の熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRP)のパイロットプラント、米国の帝人複合材料用と開発センターで進めていく」
「収益源となっている医薬品・在宅医療は、約300億円の営業利益をもっと膨らませる。骨・関節系の治療薬、痛風・高尿酸血症治療薬は好調だ。20年近傍までは特許がある。ライセンスも117国に達しており、中近東、南米、アフリカなどにも拡大していく。末端価格で1500円億円まで売っていきたい。在宅医療では酸素濃縮機器など収益の高いものが期待できる。13年以降はマクロ環境も改善され、長期的な拡大に向けた投資も積極的に行う」
▼...今後の設備投資に対する考え方は
「アラミド繊維は光ファイバーや海底油田向けなどが伸び需給バランスがタイトになってくる。15年以降には自動車用途でもアラミド繊維、炭素繊維・複合材料が本格的に使われる。このため13〜14年に増設を決定しなければならない。自動車・周辺産業をターゲットに、400億?500億円を投じ新立地で新工場を設立する。マーケット、最適なコストを考え決定する。炭素繊維はGMとの共同開発を続けていることから、必然的にアメリカになるだろう」
▼...ポリマーと医療の「融合領域」の進捗は
「ケミカル物質を身体に使うことができるのは強み。開発を進めている癒着防止材、組織修復材、再生医療の医薬品などの分野を20年までに固めていく。このほかロコモーティブシンドロームなどアンメットニーズに対応した開発を進める」
▼...M&A(合併・買収)については
「1つはリハビリテーションをターゲットとした在宅医療分野だ。ITを組み合わせた医療ロボットや電気刺激の機械などが考えられる。介護領域もM&Aをかけていきたい。素材では川上の最高の技術だけを持っていればよいという時代は終わった。柔軟な発想で新しいアプリケーションでバリューチェーンの川中・川下に入っていく」
(佐々木綾奈)
《記者からひとこと》
12年度上期業績は高機能繊維、フィルム事業の不振が響き大幅な減益となった。投資のタイミングは後ろ倒しになっているが、大八木社長は「足元の業績は厳しいが、20年売上高2兆円という長期ビジョンは変えない」と強調する。好調なヘルスケア分野、高機能繊維の事業拡大が達成に向けたカギとなる。組織改革も進めており、「ソリューション提供型ビジネスへの進化」に向け、来期はグループ内でのさらなるシナジーも期待される。