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農林漁業再生に始動する政府ファンド
日本再生戦略の目玉の一つとして注目されてきた農林漁業成長産業化ファンドが動き出す。ファンドが事業志向の旺盛な事業体に対して出融資を実施、農林漁業の"6次産業化"を推進するのが骨子だ。環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加をめぐって政府は決断を迫られているが、その前提には農林漁業の強化が不可欠。農林漁業政策の中期的な転換を見据えたファンドの役割に期待したい。
改善の兆しがみられない食料自給率とともに、農林漁業の戦略的の方向付けは後手に回ってきたというのが実情だろう。東京都の2倍に拡大した耕作放棄地、担い手の高齢化・減少という厳しい現実を目にしながら、予算のばら撒き政策に終始してきた感が否めない。
ファンドは、農業や林業、水産業などの1次産業から2次、3次産業を通じて消費者までのバリューチェーンをつくる事業活動に対して出融資の支援を行う。国が中心になって出資した株式会社農林漁業成長産業化機構は、地方自治体や金融機関、地元企業などとともに地域ファンドやテーマ・ファンドなどの「サブファンド」を設立して、6次産業化の認定事業者に対して出資や経営支援を行う仕組みである。
政策目標として掲げるのは、6次産業化の市場規模の拡大。2010年度で1兆円とされる市場を15年度には3兆円、20年度には10兆円に引き上げる計画だ。機構は20年間の時限組織で、ファンドの出資期間は15年、政府は12-13年度の総契約規模で1000億円を見込む。
農林水産製品を生かした新たな事業活動を支援するための出資とともに、出資を受けた事業体に対する民間金融機関からの借り入れを円滑化するための資本性劣後ローンも貸し付ける手厚い体制をとる。また、機構は外部のボランタリー・プランナーとも連携、事業化支援の取り組みを強める方針だ。
農水省は年度の概算要求で、財投資金として350億円(出資250億円、融資100億円)を要求しているが、この間開催された融資説明会では多数の応募者が参加、関心の高さを示唆している。
農水省はファンドの本格始動と並行する形で、「6次産業化ネットワーク」の構築にも取り組む考えで、推進会議の開催や共通情報の収集・発信、プロジェクト調査、販路開拓などの後方支援を進める。
農業などの1次産業の従事者と最終消費者をつなぐ効率的な6次事業体の創出は、農林漁業の再生の起爆剤としての期待が高い。農業の競争力強化は、これからの成長戦略の重要な柱であることは論を俟たない。