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2013年01月22日 前へ 前へ次へ 次へ

津軽海峡の景色を変える北極海航路

 津軽海峡と聞けば、阿久悠・三木たかしの黄金コンビが生み出した「津軽海峡冬景色」が思い浮かぶ。恋に破れて帰郷する女の心情を巧みにすくい取る。が、寒風が吹きぬける竜飛岬のイメージは重い▼しかし、中世から近世にかけて五所川原市の十三湖あたりにあった十三湊は、蝦夷地のみならず朝鮮半島や中国との重要な交易拠点として知られた。遺跡の調査で、その隆盛ぶりが分かっている▼この津軽海峡、北米とアジアを結ぶ貨物航路で次第に存在感を強めているらしい。中国北部をはじめとした東アジアの経済発展が、海峡の航路としての利便性を高めているようだ▼青森県の三村申吾知事によると、北米とアジアを結ぶ貨物航路の3割が集中しているという。また、昨年末にはロシア企業による北極海航路を経由した日本への液化天然ガス(LNG)の輸送が実現している▼北極海航路はその実現に強い関心が寄せられているが、スエズ航路に比べて最大40%・8000キロメートルの距離と8-11日の時間短縮につながるという試算がある。ロシアはもちろんだが、日本はその最大の恩恵国の一つとなろう。いま、北極海で開発が進む資源も最短距離で持ち込める▼いまや、上海と釜山がアジアのハブ港として君臨しているが、青森・津軽海峡の"春景色"も見てみたい。


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