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国際競争に打ち勝つ研究戦略構築を
円相場に一喜一憂の経済界だが、真の競争力を勝ち得るにはグローバル市場を席巻できる製品やサービスを創出しかない。このためには国内はもとより世界中から有用なリソースをかき集め、統合する力量が必要になる。改めて研究開発の戦略的重要性を見直したい。
日本は自動車やエレクトロニクスなどハイテク機器製造に必用な要素技術や部材の多くを国内で賄える数少ない国といえる。にもかかわらず企業の競争力は世界トップクラスにあるとは言いがたい。これは円高やエネルギー問題ばかりが原因ではなかろう。
代表的な事例が日本勢が足元にも及ばないスマートフォン。パソコンに通信機能を付加して手のひらサイズにしたものだが、個々の機能をみると革新的な技術は見当たらない。一般的な機能をスマートフォンという形にまとめあげたところが画期的であり、イノベーションといえるのである。
製品化にいたる背景は、かつての「ウォークマン」と驚くほど似ている。最大の違いは量産のためのサプライチェーンが日本や韓国、台湾、それに中国と長大なことで「ファブレス」というビジネスモデルだ。デザインと機能だけが自前で、生産は外部に委託している。それでも圧倒的な2社のバイイングパワーの前に、部材メーカーは高圧的な値下げ要求にも「ノー」といえない。
このスマートフォンを支える高性能電子デバイスの研究開発においても欧米集中が進んでいる。マイクロエレクトロニクスの研究開発機関はベルギーのIMECと、米SEMATECHが両雄。国内の大手部材ベンダーはこぞって両研究機関にヒト・モノ・カネを投入し、ライバルとなる海外メーカーの競争力向上に寄与している。
日本国内の研究開発機関で同じような活動ができないのか。部材各社が異口同音に語るのが「次のトレンドを嗅ぎ分ける力が図抜けている」ことと、「事業化する能力のすばらしさ」である。IMECは5年から10年先を、SEMATECHは比較的短期の量産技術と、棲み分けている。共通するのは単に技術開発だけに終わらず、成果の企業移転などを通してビジネスにつなげていること。シリコンウエハーの大口径化や次世代リソグラフィ技術を推進するために、日本の部材大手を説得し、事業化に向かわせている。
こうした"経営"能力は日本の企業も見習うところが多い。グローバル競争に通用する研究開発とはどういうものか、これまでの価値観にとらわれない、イノベーションへの挑戦が求められる。