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2013年01月17日 前へ 前へ次へ 次へ

【2013 挑戦】旭硝子・石村和彦社長

反転攻勢、成長回帰へ全力

 ▼...2012年を振り返ってください。
 「厳しい1年だった。12年はもう一度体質を強化する施策を実施したが、いろいろな要素があって業績を下方修正せざるを得なかった。一方、経営方針『Grow Beyond』を加速する施策は大きく前進した。コストダウンや需給改善のための対策もグローバルに打ってきた」

 ▼...具体的にはどのような前進がありましたか。
 「第2のグローバリゼーションではブラジルで新工場の建設を開始し大きなステップを踏み出すことができた。ガラス技術立社では化学強化用特殊ガラスにおいて11年上市の『ドラゴントレイル』に続き、太陽光発電パネルを大幅に軽量化できる『レオフレックス』を発売した。厚み0・1ミリメートルの超薄板ガラスでは搬送用基板ガラスとの一体化技術を開発した。また、。建築用では省エネルギーに貢献する銀3層コーティングによるLowーEガラスの販売を開始した。日本では当社だけの技術だ」

 ▼...化学事業での成果は。
 「フッ素化学で革新的な生産性向上を達成した。これにより鹿島、千葉の2拠点体制から、1工場で十分供給できるようになった。医農薬原体・中間体では緑内障治療薬用原体を小浜工場(福井県)で増産し、日本だけでなく世界に打って出ていく。クロール・アルカリはインドネシアでカ性ソーダで3割の増設工事に着手した。その成果が13年春頃から効いてくる。国内では鹿島電解、鹿島塩ビモノマーの再編と、北海道曹達および鹿島ケミカルの完全子会社化を実施し、あるべきかたちが構築できた」

 ▼...今年の事業見通しは。
 「12年までに種をまいた数々の施策について、13年から花開させていく。ドラゴントレイルはここにきてスマートフォン向けなどで採用が進みシェアが拡大している。レオフレックスは建築用や自動車用などにも展開していく。超薄板ガラスを1メートルを超える幅のロール巻きで出すのは当社が世界初だ。今年は採用例が出てくると期待している」
 「自動車用では紫外線カットガラスに熱線遮断効果も持たせたUVベールプレミアム・クールオンの採用車種を拡大させたい。グローバルには好調な東南アジア市場での事業拡大のほか、欧州でも価値を認めてもらいシェアの拡大を図る」
 
 ▼...今年をどんな年にしますか。
 「今年のキーワードは『CHANGE(チェンジ)』とした。09年から毎年、「蓄、活、進、克」と漢字1文字でキーワードを選んできたが、今回から英語に変えた。戦略は変えないが、発想や視点は大胆に変えていく。11、12年の事業環境は厳しかったが、成長戦略、体質強化の種はまいてきた。13年度はこれを生かして反転攻勢に出る1年としたい」
(佐藤豊)

【記者から一言】
 旭硝子は11年以降、稼ぎ頭だったTFT液晶用ガラスの市場環境激変や、ソブリンリスクを背景とする欧州の建築用ガラスの需要減退などの影響を受け利益水準の圧縮を余儀なくされてきた。一方、石村社長が指摘するようにこの3年間、環境・エネルギー分野などで次世代技術・製品の開発を着実に進めてきた。今年度からスタートする新中計では2020年のあるべき姿の具現に向け、成長トレンドへの回帰に挑むことになる。
(了)


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