2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
安倍政権は速やかに当面のエネ政策を示せ
きょう12月26日に安倍晋三内閣が発足する。自民党にとっては3年3カ月ぶりの政権奪還だが、難しい政策課題を数多く抱えての船出である。新政権には、重要課題に戦略的かつ計画的に取り組み、遅滞なく対処方針を打ち出すことが求められる。なかでも経済産業政策の根底をなすエネルギー政策については、短期、中長期の課題と対策を整理し、抜本的な再構築を図るべきことを指摘しておきたい。
まず必要なことは、年度内に来夏の電力需給の見通しと対策を示すことだ。そのうえで、今後3年あるいは5年程度の電力の安定供給確保策について、具体的方策を工程表とともに明確にすることが重要だ。電力供給に不安を抱えたままでは、企業が生産計画を立てることもままならず、国内での設備投資に常に不安がつきまとう。
少なくとも数年先までの電力供給不安を解消したうえで、中長期のエネルギー戦略については腰を据えて練り直すという手順が妥当だろう。ただ、自民党が選挙公約で掲げた「電源構成のベストミックスを10年後に確立」というテンポでは遅すぎる。3年程度で方向性を固めなければならない。
技術開発を加速して再生可能エネルギーやさらなる省エネの導入を最大化すべきことに異論をはさむ余地はない。将来は電力需要の3割あるいはそれ以上を担う可能性も十分にある。しかし、現在は技術開発途上であり、ここしばらくは主力電源とはなりえないのが現実だ。
その点からみて、前政権が今年9月に策定した「革新的エネルギー・環境戦略」は、再エネや省エネ導入に楽観的な数字を置いていた。産業界や有識者からは実現可能性の乏しさが繰り返し指摘されている。
新たなエネルギー戦略を議論する際には、まず現下の状況についての認識を共有することが必要だ。各地の原発稼働停止が相次いだ結果、火力発電への依存度が高まり、化石燃料の輸入コストが急増した。それが価格上昇圧力となり、電力料金の大幅値上げをもたらす。料金が上がっても供給不安は消えない。温室効果ガスの排出量は増加の一途をたどる。ここに示されるのは、特定の電源への依存度が高まることによる負うリスクは大きいということだ。
今後の検討プロセスでは、原発の是非をめぐる二項対立ではなく、建設的に議論を進めることを強く求めたい。何よりも重要なことは、主要な電源の比率の数字をあれこれ論じるのではなく、安定供給とコスト抑制を最大化するためにどういう政策が必要かという論点のはずだ。具体的な工程表とともに、速やかに示してもらいたい。