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2012年12月21日 前へ 前へ次へ 次へ

石炭を逆転して高まる天然ガス需要

 世界のエネルギー需要は、2040年に10年比で35%増加、その時点で石油と天然ガスが全体の6割を占める。25年には天然ガス需要が石炭を上回り、石炭需要は25年をピークに下降に転じ、40年にかけて10%以上減少するエクソンモービルがこのほどまとめた世界のエネルギー需要予測だ。シェールガスを中心とした非在来型資源の増加を取り上げ、活発な開発が進む米国が25年までに純エネルギー輸出国になると指摘する。こうしたエネルギー供給源の地殻変動に対応して、日本がどのようなエネルギーミックスの戦略的なシナリオを描くのか、焦眉の課題となる。
 この予測では石油がいぜん、最大のエネルギー源としながら、天然ガス需要の伸びが大きくなるとして、25年までに石炭を抜いて二番手に浮上する見通しだ。40年の天然ガスは10年比で65%増加、世界生産の20%はシェールガスの増産が進む北米が占めるという。
 今後のエネルギー需要は低炭素志向がさらに高まるとし、天然ガス、原子力、再生可能エネルギーの需要を押し上げる。発電エネルギーは最大の用途で、40年にかけて世界需要は50%伸びる。これは途上国を中心に、電力需要が85%増加することを意味している。
 ここで強調されているのが、発電エネルギーとして石炭から天然ガスや原子力、さらに風力や太陽光などの再生可能エネルギーへの転換が着実に進み、エネルギーミックスのなかでの存在感が強まるとしている点だ。石炭に比較して60%程度CO2発生が少ない天然ガスは、発電燃料として最大の伸びを示す。現在は25%以下にとどまっている天然ガス発電の割合は30%に拡大する。
 注目されるのは、高効率発電やハイブリッドカーなど省エネ技術・システムが普及して、エネルギー需要を増やさずに全OECD諸国で、ほぼ8割の経済的なアウトプットの増加に結びつくと指摘したことだ。世界の自動車需要は40年までにほぼ倍増するとするなかで、OECD圏では小型車化や軽量化を背景に燃料需要は横ばいから漸減基調に転じる見通しだ。
 米国のシェールガス革命のインパクトは強烈だ。この予測でも「エネルギー輸出国」への変身することを強調しているが、このままでは日本がその恩恵を受けることは難しい状況にある。政治の混乱で棚上げ状態にある日本のエネルギー戦略だが、早急に原子力を含めた論議を本格化する必要がある。世界のエネルギー構造が大きく変化するなかで、日本の最適エネルギーミックスの戦略構築は喫緊の課題の一つである。


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