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2012年12月17日 前へ 前へ次へ 次へ

「日本ハム・大谷翔平」実現のプレゼン資料にみるビジネス戦略

 「日本ハム・大谷翔平」を実現に導いたプレゼン資料が、同球団のHPで公開された。入団発表の後、どんな説得で翻意させたかにメディアやファンの関心が高まっていた。13日の発表後はHPへのアクセスが集中し、一時的にパンク状態になったとか▼大谷投手は大リーグ挑戦の意志が固く、指名は無理筋ともみられていた。それを覆したパワポの資料は、なるほど説得力がある。日本で経験を積まないことのリスク、日本人大リーガーの経歴と実績などのほか、他競技の海外挑戦事例との比較も盛り込んでいる▼「イチローは、18歳で渡米してもイチローになれたか」などは、解説者らも発言してきたことだ。しかし、表やグラフで具体的なデータを示し、論点を丁寧に整理した1冊の中で語られると迫力が増す▼作成者のプレゼン能力の高さを感じさせるこの資料には、プロアマを問わず球界関係者に有益な基本情報が整理されている。若年期の海外進出の競技別傾向などは、他競技にも参考になるだろう▼入団決定までの顛末からは、「メジャー宣言ー指名ー撤回・入団」が新たな密約手法になる懸念も生じかねない。日本ハムは手の内を晒して自らへの疑惑を拭った。同時に、説得材料を公知の情報にしたことで懸念される事態を未然に封じ込めた。実にしたたかなビジネス戦略だ。
(了)


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