2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
【連載(下)】変わる新薬開発 「自前」からの脱却 メガファーマの挑戦
「競争と協調」で生き残り
創薬シーズや研究開発リソースを広くオープンな場で調達して医薬品開発の効率化を図る「オープン・イノベーション」の重要性が高まっている。ベンチャー企業や研究者に自社の化合物や施設を開放したり、本来は競争しあう立場の大手製薬企業同士がコラボレーションし、産学官一体で研究開発に取り組む動きが広がっている。これまで製薬企業は自社創薬を軸とし、不足分を導入品で補う「クローズド・イノベーション」が主流だった。自前主義では生き残りが難しくなっている今、「競争と協調」を両立させたオープン・イノベーションが新たなビジネスモデルとなりつつある。
※化合物ライブラリーの提供も※
研究開発型の製薬企業にとって、新薬のタネとなる化合物は何よりも重要な事業資産だが、最近は自社で温めてきた化合物ライブラリーを外部と共有する欧米企業が増えている。米国立衛生研究所(NIH)が昨年末に立ち上げた「国立先進トランスレーショナル科学センター(NCATS)」では米ファイザー、米イーライリリー、英アストラゼネカ(AZ)など欧米大手8社から開発を断念したものを含む化合物の提供を受け、別の適応症などでの可能性を探るプログラムが始まっている。企業がドロップした開発品を外部研究者の手で「生き返り」を試みる取り組みで、企業が大学のシーズを買い取る従来の流れとは逆のアプローチだ。
英グラクソ・スミスクライン(GSK)はマラリア、結核の治療薬開発に役立てる化合物ライブラリーを無償公開しているほか、スペインのトレス・カントス研究所にオープンラボを設け、顧みられない熱帯病(NTDs)の領域で外部研究者を受け入れている。同社は自社でもNTD領域で新薬開発を進めており、将来的な相乗効果を見越した戦略の1つといえる。
※臨床効率化狙いNPOを設立※
大手企業間のコラボレーションも広がっている。欧米製薬10社は今年、臨床開発の効率化を目的とする非営利組織(NPO)「トランスセレレート・バイオファーマ」を設立し、(1)治験実施者が使用する登録システムの共有(2)治験実施機関の相互認証やトレーニングの共同実施(3)臨床データ基準の策定(5)比較対照薬の供給モデルの確立ーなどを行う計画。臨床試験にかかわる課題解決に共同で取り組み、各社の開発効率化につなげる狙いだ。
欧米でこうした提携が活発な背景には、各国当局がイニシアチブをとって産学官の協力関係を築いてきたことがある。欧州では欧州委員会と欧州製薬団体連合会(EFPIA)が2008年に官民パートナーシップ「革新的医薬品イニシアチブ(IMI)」を立ちあげ、EFPIA加盟企業、中小・ベンチャー企業、大学、医療機関などが自由に共同研究できる環境がある。予算は億と医療分野における官民提携では世界最大規模。官民協働でオープンイノベーションの機運を高め、企業と国・地域の国際競争力を向上させていく考えだ。
【写真説明】メガファーマは新薬開発の効率化を目指しオープンイノベーションを重視するようになった