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2012年12月05日 前へ 前へ次へ 次へ

光ディスク 超大容量化へ開発活発

富士フイルムやOPARG
アーカイブデータに狙い

 1枚で512ギガバイト〜1テラバイトと従来の水準をはるかに超える超大容量光ディスクの開発へ向けた動きが活発化している。富士フイルムは2015〜16年をめどに1枚1テラバイト(両面使用)、将来15テラバイト(同)を実現する二光子吸収ディスクを、三菱化学メディアなどが名を連ねるアライアンスグループ「オプティカル・アーカイブ・グループ(OPARG)」は16年を目標にブルーレイディスク(BD)をベースとする512ギガバイト(片面使用)の光ディスクを投入する計画を表明している。

※新規開拓が不可欠※
 今回の動きが従来の大容量化の流れと異なるのは、これらの超大容量光ディスクがビデオレコーダーやパソコンなど民生分野での利用を想定せず、ハードディスクドライブ(HDD)やLTO(リニアテープオープン)などのコンピューターテープに保存されているアーカイブデータを保存することを主な目的としていること。各社はその用途として図書館や美術館の原資料や公文書、医療用データ、放送局の映像データなどの保管をあげている。
 DVD-Rなどの記録型光ディスクは、海外メーカー品の流入などを背景に多くの国内企業の採算が悪化。国内生産を取りやめ海外メーカーに委託する企業が相次ぎ、新たな市場の開拓が不可欠となっている。
 光ディスクはアーカイブデータの保存に対し、記憶容量の不足を理由に利用されるケースが少なかった。しかし、25〜100ギガバイト超と大容量を実現するBDの登場で同用途への利用が可能になりつつある。今年に入りアーカイブ用途での光ディスクの本格的な利用を促進するため、現行のBD技術の延長線上での大容量化や、新たな技術アプローチで一層の大容量化を目指す企業の活動が目立ってきている。

※両面で15テラバイト視野※

 富士フイルムの二光子吸収ディスクはポリカーボネート樹脂基板をベースに、紫外線(UV)硬化樹脂層と光吸収性ポリマーからなる記録層、粘着層を重ねる構造。ホログラム光ディスクの開発を中止し、かねて行っていた同ディスクの開発にシフトした。レーザーの照射によって記録層が発熱、凸形状に膨張し記録マークを形成する現象を利用して記録、再生を行う。突起の高さを制御することで100層の超多層化も可能になる。
 ウェブ塗布で記録層と中間層を作成、貼り合わせることから生産性が高く、製造コスト低減に貢献できる。15〜16年を目標に25ギガバイトの記録層を20層重ね500ギガバイトの記憶容量を達成、ディスク両面使用で2倍の1テラバイトを実現する。18年には50ギガバイト20層の両面使用で2テラバイトを、以後ほぼ2年半ごとに容量を倍加し、将来75ギガバイト100層の両面使用により15テラバイトの達成を目指す。

※BDベースに推進※

 BDの延長線上に超大容量光ディスクの開発を位置付けるのがOPARG。ドライブメーカーのパイオニアと記録メディアメーカーのパナソニック、三菱化学メディア、ビクターアドバンストメディアなどが連携する。OPARGが推奨する業務用アーカイブディスクの記憶容量は現段階でコンシューマー用と同じ最大100ギガバイト(片面3層)だが、パイオニアの計画によると14年に1枚256ギガバイト(同8層)、16年に512ギガバイト(同16層)を実現する方針。4月に策定された日本画像情報マネジメント協会(JIIMA)のガイドラインに準拠したものとし、互換性の向上や長期保存システムに関するソリューション提案を行っていくという。
 また、ソニーは1つのカートリッジに12枚の光ディスクを収納した最大1・5テラバイトの大容量ストレージ「オプティカルディスク・アーカイブ」システムを提唱。同規格に対応したドライブユニットと専用メディアを10月から発売している。
(東坂慎一)

【写真説明】中・記録された突起の電子顕微鏡イメージ 下・三菱化学メディアの業務用アーカイブディスク


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