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2012年11月29日 前へ 前へ次へ 次へ

部品各社が期待するセンサー新市場

 生活や産業などさまざまな分野で利用されることの多いセンサーだが、近年、自動車やスマートフォン、産業機器などへの搭載個数の増加によって、その需要が急速に拡大する兆しをみせている。車載用では乗車時の安全性向上を図るため、この10月から国内で横滑り防止装置(ESC)の搭載が義務付けられたことで、センサーの搭載が急速に拡大する見通しである。またIT関連市場でも、タッチパネルの利用が基本となる「ウィンドウズ8」の登場やスマートフォンおよびタブレットPCの普及、小型ノートPC「ウルトラブック」の登場もその後押しとなるだろう。
 ESCは自動車の旋回時での姿勢を安定させるための装置。車が横滑りなどで危険な状況になると、センサーが感知した情報でブレーキやエンジン出力を自動制御し、急激な挙動変化を抑制して安定した姿勢を保つ。ドイツなど欧州での普及率は70%以上と高いものの、日本では10%程度にとどまっているが、乗用車へのESC搭載が順次義務化されることから、急速な普及が見込まれる。
 国土交通省の計画によると、今年10月以降に新型車として発売される車種とフルモデルチェンジされる車種にはESCの搭載が義務づけられる。既存車種では2014年10月以降に装備を追加することが必要になる。軽自動車では新型車が14年10月以降、それ以外も18年2月以降に義務化されることから、センサー需要が急拡大することが確実の状況となっている。
 一方、IT業界でもセンサー搭載を増やす動きが顕著である。すでにスマートフォンやウルトラブックなどのIT機器にはタッチセンサーや照度センサーなどが搭載されているが、今後はアプリケーションの拡大にともない、人感センサーや気温・湿度センサーなど多くのセンサーが採用される見通しだ。オフィス内の複数のパソコンをリンクさせ、温度管理や照度管理を行うビル管理システムを構築するというアイデアもある。
 電子部品メーカーの上半期業績は、液晶テレビやパソコンなどの不振を理由に厳しい状況となっているが、その一方で車載用やシェアを拡大した海外製スマートフォン、タブレットPC向けに電子部品を供給しているメーカーは好業績を確保した。自動車やスマートフォンへの採用が増加し、スマートメーターの普及が見込まれる状況で、需要拡大が確実とみられるセンサービジネスは、ソリューション、ネットワーク展開を含め、今後電子部品メーカーの収益に大きく貢献することが期待されている。各社の戦略事業として注目を集めそうだ。


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