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厳しさを増す企業の研究開発環境
企業の社内研究開発(R&D)費はリーマン・ショックや、その後の景気低迷で減少傾向が続いている。一方で大学など外部へのR&D費支出が増加しているが、国内で支出するのが圧倒的で、海外の企業や大学などへの支出比率は4分の1程度だ。R&Dはイノベーション創出の基盤だけに、海外を含め大学や研究機関との連携も迫られているが、"オープン・イノベーション"に関しては試行錯誤が続いているといえそうだ。
文部科学省科学技術政策研究所がこのほど公表した「民間企業の研究活動に関する調査報告‐2011年版」は、資本金1億円以上で研究開発を行っている企業1263社からデータを得た。それによると、10年度の1社当たりの社内R&D費は41億円。R&Dの成果として特許出願数は増えている。また、主力事業で技術的な新規性を持った新製品・サービスを生み出した企業は、全体の4分の1強、新工程を生み出した企業は5分の1程度だったという。
社内R&D費は、リーマン後の業績低迷の影響を受けて減少に歯止めがかかっていない。3年前の07年度比で10%以上増やした企業が21%を占める半面、10%以上減らしている企業が28%と上回っている。このなかで医薬品、総合化学など化学関連は、10%以上増やしている企業数が上回り、R&D重視を堅持している。
外部支出R&D費は、国内が74%を占め、機関別には企業への支出が圧倒的に高い。注目されるのは医薬品企業の海外比率76%で、総合化学企業も34%と平均を上回る。医薬品の海外支出先は子会社が中心で、大学や公的研究機関には支出していない。総合化学も子会社への支出が1位だが、子会社以外の企業や大学・公的研究機関への支出も一定に行っている。
研究開発者の従業員に占める割合は11%。業種別に比率の高いのは電子応用・電気計測機器の25%、その他化学の22%、情報通信機械器具の19%が上位3業種。総合化学は13%、医薬品は12%と平均を上回っている。このほか、博士号取得者比率は6・6%。また外国籍研究者は0・6%、女性研究開発者は9・7%だが、人数は減少している可能性もあるという。
今回の調査報告から、企業のR&Dを取り巻く厳しい環境を感じさせる。効率的なR&Dの取り組みをこれまで以上に重視しなくてはならないが、大学や公的研究機関など外部リソースの活用も不可欠だ。ポスドク研究者の厳しい就職環境や待遇を考えると、産学官のシーズとニーズのマッチッグなど情報交流を強化してR&D競争力を高める努力が求められる。