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2012年11月27日 前へ 前へ次へ 次へ

「へその多様性」に学んでほしい日本の政治

 地球は複雑で多様な生態系を持ち、動植物、微生物などの命のつながりが豊かな自然を生み出す。20世紀は人類にかつてない豊かさをもたらしたが、生物の多様性にとっては「危機の時代」でもあった。その保全が地球的課題であるのは論を俟たない▼ヒトの内なる生物多様性については、腸内細菌など多くの研究成果がある。最近、興味を引かれたのはナショナルジオグラフィック誌に掲載された「へその生物多様性」だ。現代人の体の表面の微生物相についての真面目な研究である▼米ノースカロライナ州立大学の研究チームが60人のへそを調べたところ、2368種の細菌が見つかった。うち、1458種は新発見の可能性があるという。細菌は少ない人で29種、多い人で107種、平均で67種と共生していた▼数年間、へそを洗っていないと証言した人からは、熱水噴出孔などに生育する極限環境微生物も見つかった。こうした多様性を「まるで熱帯雨林のようだ」という。熱帯雨林は各々、異なる植物相を持つが、共通する植物種がある。今後、ヒトの免疫機能との関わりなどを調べるという▼衆院解散で一気に選挙態勢に入った永田町では、「政党の多様性」が全開モードだ。能力のある政治家の多様性は歓迎だが、"国家百年の大計"を掲げる政治が見あたらないのが寂しい。


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