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2012年11月26日 前へ 前へ次へ 次へ

CO削減の視点でバイオプラ支援を

 わが国が昨年春に国連に提出した温室効果ガスインベントリーでは、廃棄物の焼却時に発生するCO2のなかで、バイオマスプラスチック(BP)由来のCO2を控除してCO2排出量が算出されている。そのインベントリーが国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局の審査を通過した。BPのCO2削減効果が、国連レベルで認められたことを意味する。コスト高などを理由に、BPの市場規模は長らく伸び悩んでいる。BP拡大の起爆剤となることを期待したい。
 BPの原料はCO2を吸収して成長する植物。使用済みのBPを焼却しても空気中にCO2が戻るだけのため、温室効果ガスとしてカウントされないカーボンニュートラルだ。国際的なルールとなっているが、国内で使用および廃棄・焼却されているBPの量が分からず、廃棄物の焼却にともなうCO2として実態よりも過剰に排出量が算定されていた。
 環境省の温室効果ガス排出量算定方法検討会廃棄物分科会は、廃棄されたBP製品を焼却する際に発生するCO2を控除する方法論を検討してきた。BP製品普及の一環として国内市場調査を行っていた日本バイオマス製品推進協議会のデータを用い、使用量やバイオマス含有量からBP由来のCO2を算定した。2009年度実績のインベントリーで採用された。
 昨年4月にUNFCCCに提出され、今年7月に審査を通過した。インベントリーから控除されたのは、ポリ乳酸(PLA)1380トンと木質系プラスチック720トンから発生する3200トンのCO2。控除されるのは初めてとみられるが、PLAおよび木質系プラの使用量はBP全体の2割弱にすぎない。
 控除対象の拡大にはインベントリー算定方法の精緻化が必要となるが、BPはCO2削減の有効な手段に成り得る。バイオポリエチレンなどを牽引役に市場が成長期に入ったとみる向きもあるが、コスト削減が迫られるのなかで、CO2削減だけでは売れないという声もある。ここにきてバイオマスへの注目は増しているが、燃料としての利用でありBPへの関心は決して高いとはいえない。
 BPの利用を促すには、バイオマス燃料と同じように優遇措置を設ける必要がある。国連のお墨付きが得られたのを機に、クレジット化する方法もあるだろう。植物の栽培技術、発酵技術、合成技術、成形加工技術などはわが国が得意とする技術。BPの用途も、日用品や事務用品・機器、衣料品、包装資材など多岐にわたる。世界をリードし続けるためにも、国の支援が求められている。


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