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2012年11月21日 前へ 前へ次へ 次へ

水上都市に生きるベネチア市民の強さ

 グーグルマップには、縮尺を変えるスライドバーの上に黄色い人型のアイコンがのっている。それを、地図上にドラッグすると、その場所のストリートビューが見られる。前に進んだり後退したり、視角を変えたりと、現実の風景さながらだ▼世界の主要都市をカバーしているが、ある有名な観光地はストリートビューが楽しめない。イタリアのベネチアである。ストリートビューの撮影車がここには入れないからだ。撮影車だけではなく、自動車はすべて禁止。人々は徒歩とさまざまな船で移動する▼このベネチア市が、運河のゴンドラツアーや街歩きをウェブ上でバーチャル体験できるサービスを独自に提供している。世界屈指の観光地でさえ、経済不況と無縁ではいられず、再浮上を狙った一打なのだろう▼10日ほど前、大雨と高潮とが重なり、市内中心部の7割が床上浸水した。平均海水面からの高さは149センチ。テレビでその様子が伝えられたが、人々の表情は思ったほど暗くはない。水上都市に生きる市民の水への対応力の強さを感じた▼なにより、ベネチアは地盤沈下と海面上昇でやがて水没するとも危惧されている。そうはさせじとこんなアイデアが提唱された。多孔性の地層に大量の海水を注入して膨張させ、約30センチ島を上昇させる。「水には水を」作戦である。


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