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2012年10月24日 前へ 前へ次へ 次へ

急がれるダイバーシティ経営の深化

 経済活動のグローバル化の進展が、企業に女性の活用促進などのダイバーシティ経営の加速を求めている。外国の人材雇用とともに、女性の人材資源の開発と経営層への積極的な登用が大きな課題だ。
 国内市場の成熟化と少子高齢化は、これからの持続的な成長戦略を描くうえで障害となっている。戦略を立案して行動に移していくのは、人材にほかならない。なかでも女性の登用は喫緊の問題として企業に迫る。
 経済同友会が会員企業720社を対象に実施したアンケート調査に219社から回答があった。上場企業が63%、創業年以上が69%という構成。製造業は34%を占める。
 この調査によると、女性の登用・活用を経営指針や経営計画に明示している企業は回答を寄せたなかの39%、「今後の対応を検討」とした企業が28%に達し、女性の登用・活用に向け機運の高まりをうかがわせる。
 女性の登用・活用の現状は、(1)日本国内では従業員の41%が女性だが、製造業は24%、非製造業48%と差がある(2)女性の登用・活用を推進する組織については、35%の企業が設置済み、26%が今後の対応を検討(3)日本国内における新卒の女性採用実績は、平均28%という状況になっている。
 しかし、女性の登用は管理職(課長級以上)で4・6%、経営や事業の意思決定に関わる部長、役員などの「意思決定ボード」になると2・7%と低いのが現状だ。それでも、管理職への女性登用は「増加傾向」が53%とほぼ半分を占める。役員レベルになると、「増加傾向」は13%にとどまる。
 興味深いのは、女性管理職登用の具体的な数値目標の設定および公表への回答だ。58%が数値目標の設定は考えていないが、目標を設定している企業は管理職7・7%、意思決定ボード4・3%と平均より高水準にある。もっとも、「設定していない」理由は"男女区別なく実力主義を導入"だが、女性登用の人事制度上での具体的な施策は不明だ。
 また、具体的な登用の取り組みには、多くの企業が回答を寄せている。仕事を継続しやすい環境整備などの支援策で「女性を主体とした研修や職域の拡大」「(メンター制度やロールモデル作成など)女性の労働観の変化促進」といった女性に直接働きかける施策が目立つ。
 同友会では今回の調査結果について、女性の登用が喫緊の経営課題として認識されつつあるとしながら、経営者自らが方針を宣言をすべきだと強調している。ダイバーシティ経営の深化が、成長戦略を実現するカギを握ることになる。


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