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2012年10月23日 前へ 前へ次へ 次へ

EU首脳が合意した銀行監督の効果は?

 欧州の債務危機の行方がいぜん、不透明である。世界経済が気づかないうちに、活力を失いつつあるように感じるのは、危機の深淵の不気味さとも無関係ではあるまい▼欧州連合(EU)首脳は先週末、ユーロ圏の銀行監督を一元化する方向で年内合意を目指すと強い意気込みを示した。欧州中央銀行(ECB)を主たる監督機関とする枠組みである。順調に進めば、2014年の年初には域内のほぼ6000行が監督下に置かれる▼もっとも、今回、一歩前進した銀行監督も、ユーロ圏の救済基金である欧州安定メカニズム(ESM)がいつから銀行への資本増強をやれるかなど、分からないままだ。「直接支援」には、「効果的な銀行監督」が前提となる▼国際通貨基金(IMF)は先ほど、欧州の当局者が債務危機を阻止するという"公約"を実現できないと、欧州の銀行は13年までに最大で4兆5000億ドルの資産売却が必要になる可能性があると、警鐘を鳴らした。IMFはまた、財政緊縮の実施や監督システムの構築が遅れれば、一部銀行が資産圧縮を余儀なくされて与信への影響は必至と指摘する▼翻って、日本では東日本大震災という特殊要因を除いても、「仕分け」がほとんど機能しないままに、公的債務が膨らむ。「日本的債務危機」の"監督"は不在のままだ。


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