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2012年09月18日 前へ 前へ次へ 次へ

過去最大が見込まれる対中貿易赤字

 中国経済の減速を反映して日本の対中輸出は停滞状態が続いている。これに対して、情報通信機械を中心に中国からの輸入は増加基調にあり、2012年の貿易赤字幅はピークだった05年の287億ドルを上回る水準に拡大する見通しだ。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、今年上半期(1-6月)の日中貿易は前年同期比1・1%増の1650億ドルとなった。半期ベースでは、11年下半期に次ぐ二番目の水準だが、その内容は停滞する輸出、増加基調の輸入という構図が鮮明である。同期の輸出は737億ドルで5・7%減少、輸入は7・5%増の913億ドルで、貿易収支は日本の176億ドルの赤字。赤字幅は前年同期比で2・6倍に拡大した。
 輸出の不振は円高とともに、中国経済の減速を反映している。半導体やフラットパネル用製造装置をはじめ、繊維機械や化学品、鉄鋼などが軒並み減少。不動産投資抑制策や固定資産投資の伸びが鈍化したことで建設機械が落ち込み、半導体など電子部品も伸び悩んでいる。一方で、乗用車や映像機器は高い伸びを示し、震災による原発事故による輸入規制の影響を受けた食料品は反動増となった。
 輸出で健闘しているのは、世界的なスマートフォンやタブレット端末の需要増を受けたマシニングセンタなどの金属加工機械や液晶デバイス・関連部材。デジタルカメラなどの映像機器も堅調に推移している。ただ、中国経済減速の要因の一つに欧州危機にともなう輸出の減少が指摘されているが、ジェトロによると、中国の欧州向け輸出製品に、日本品が使われるシェアは小さく、影響は限定的と分析している。
 中国からの輸入は、日本の内需の伸び悩みもあり1ケタの伸びにとどまった。伸びが大きいのはスマートフォンやタブレット端末、汎用タイプの自動車部品などで、低価格品への需要が高まっている食料品も堅調に推移した。その一方で、中国による輸出規制や価格下落に見舞われたレアアース・メタルが大きく減少、液晶テレビなども2ケタの落ち込みとなった。
 上半期の実績でみると、日本の世界貿易に占める中国のシェアは19・3%と前年同期から1・3ポイント低下。日本にとって中国は貿易総額、輸出、輸入ともに最大の相手国だが、輸出に占めるシェアは18・0%と2・0ポイント低下、2位の米国との差が縮小している。
 ジェトロでは、中国政府による景気対策にともなう需要増は限定的と予想する。このため12年見通しでは、輸出の低迷、輸入の小幅拡大となって赤字幅が拡大すると見込んでいる。


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