期待したい印刷デバイス製造技術
プリンテッドエレクトロニクス(印刷デバイス製造技術)の本格普及に向けて、研究開発が活発化している。2011年5月に設立した次世代プリンテッドエレクトロニクス技術研究組合(JAPERA)は、この3月から本格的な研究活動を開始。一方で産業界からは同市場の拡大を想定したインクジェット(IJ)ヘッドや銅膜形成技術などの開発が明らかになった。市場の立ち上がりは15年前後とみられているが今後、関連製品が相次いで投入され、市場の活性化に拍車がかかりそうだ。
プリンテッドエレクトロニクスは、電子部品を構成する素子、回路などの各種デバイスを印刷や塗布技術で形成する技術。アプリケーションとして電子ペーパーや有機ELディスプレイ、有機EL照明、太陽電池、さまざまなフレキシブルデバイスなどがあげられている。
プリンテッドエレクトロニクスは軽量・フレキシブルな製品を低資源、低エネルギー、低コストで量産できる点が特徴だ。製造工程における脱フォトリソグラフィや脱真空によりプロセスを単純化でき、大面積化にも容易に対応できる。
米国の調査会社であるIDTechExによると、12年時点でのプリンテッドエレクトロニクスの市場規模は30億ドル程度だが、14年には50億ドルを超え、20年には350億ドルに、21年には450億ドルに拡大すると予測。とくに成長を見込むのが有機ELディスプレイ向けで、太陽光発電向けががそれに続く。
ただ同市場の成長に際しては解決すべき課題も多い。脱フォトプロセスでは細線描画性能や再現性の確保、脱真空プロセスでは材料性能や特性の確保、さらにフィルムの基板化では低温プロセスの確立やフィルムのひずみ対応などが必要になる。高度な技術、ノウハウの蓄積がないと、同市場に参入することは容易ではない。
JAPERAはデバイスやプロセス、装置、材料の各メーカー約30社で構成されており、プリンテッドエレクトロニクス市場を本格的に立ち上げることが目標。具体的には、15年度までの契約で新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から、次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発事業を受託。つくば市の集中研でフレキシブルデバイスおよび印刷デバイス製造技術の早期実用化を目指す。
同組合には、デバイスや材料など各業種を代表する企業が数多く参画している。今後海外企業に先駆けて技術開発、製品化を進め、国内メーカーがプリンテッドエレクトロニクス市場で高いシェア、国際競争力を確保するよう望みたい。