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2012年08月28日 前へ 前へ次へ 次へ

アーミテージ・ナイ報告が提起した日米関係

 このほど公表された「アーミテージ・ナイ報告」は、日米同盟の今とこれからに深く切り込んだ内容だ。日本の政権交代以降の混乱を「漂流の時代」ととらえ、同盟の空洞化に警鐘を鳴らす▼米国務副長官だったアーミテージ、元国防次官補ジョセフ・ナイ両氏が中心になってまとめた報告は、今回で3回目。海域での領土問題や安全保障などアジアをめぐる問題は百出している▼報告はまず、日本に「一流国であること」を改めて問いかける。換言すれば、二流国との同盟は根底から変わるということだろう。特徴的なのは、取り上げられたテーマの並びである。トップは、エネルギー安全保障、二番目が経済・貿易そして隣国との関係、新安全保障戦略と続く。エネルギーが原発事故を、経済・貿易は環太平洋経済連携協定(TPP)を念頭に置いたものだろう▼原発の再稼働については「正しく責任ある一歩」と評価して、両国の今後の資源同盟を強固にする必要性に言及。また、TPPは日本にとって経済安全保障上での重要性に触れて、米国にとって日本の参加が戦略的な目標であると指摘する▼永田町では、消費税の関門をくぐり抜けて政局の流動化が始まった。政治主導という壮大な実験は無に帰しつつあるが、国民の最大の関心事は、将来を見据えた「決める政治」である。


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