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2012年07月31日 前へ 前へ次へ 次へ

【連載】エイジングケア 成長市場を狙う化粧品各社(上)

ニーズに合わせて新技術開発

 成熟期を迎えた化粧品市場にあって例外的に拡大傾向にあるのがエイジングケア製品だ。市場規模は10年間で5割伸び、約3000億円に達した。間もなく団塊ジュニアの女性たちが40代を迎えるなか、各社は消費者のニーズに合致したエイジングケア関連の技術開発に力を注いでいる。
    

※資生堂ー目尻シワ詳細・定量的に解析※
目尻シワ .jpg 資生堂は新製品の開発に欠かせない評価法の改良・考案を推進している。「目尻シワの3次元個別解析による新規分類法」を確立することで、目視に頼っていたシワ1本1本の解析を評価機器で詳細かつ定量的に解析することを可能とした。これは昨年、厚生労働省が「乾燥による小ジワを目立たなくする」という56番目の化粧品効能を発布したことが背景にある。日本香粧品学会が抗シワ製品評価試験ガイドラインを策定し、日本化粧品工業連合会として同省に働きかけた。この効能を訴求するためには客観的なデータを保有することが求められる。
 資生堂は同ガイドラインに記載されたシワ評価法を独自に発展させた。新評価法により評価機器を用いて小ジワ、中ジワ、大ジワを深さと面積から分別することが可能となったことから、年代別・シワの程度別に高機能なシワ対応製品の開発につなげる。
 また、毛穴の研究をエイジングケア製品の開発につなげようとしている。毛穴は加齢とともに拡大する。てかりや黒ずみだけでなく、顔がたるんでみえるエイジング現象「たるみ毛穴」につながってしまう。毛穴が目立つのは毛穴の周りが「すり鉢状」に凹んでいるため。毛穴の目立つ人は皮脂の分泌が多く、その中に含まれる不飽和脂肪酸も多い。不飽和脂肪酸は角化異常、表皮肥厚をもたらし「すり鉢状」の原因となる。
 資生堂は不飽和脂肪酸の代表格・オレイン酸を抑制する成分としてグリシルグリシンを見いだした。現在は毛穴ケアの「アクアレーベル 大人の毛穴美容液」などに採用されているが、毛穴の詳細な形状解析や加齢、弾力との関連性について研究を重ねエイジングケア製品の開発にもつなげる考え。

※カネボウー皮膚のDNA修復機能に着目※
天人花.JPG カネボウ化粧品はDNA修復技術によるエイジングケア製品の開発を進めている。皮膚のDNAを正常に保つことでエイジングケアにつなげる。皮膚のDNAは外からは紫外線、内からは活性酸素によって常に傷つけられている。細胞には元来、DNAダメージに対抗する能力が備わっているものの、長い間損傷と修復を繰り返すなかで徐々にダメージが積み重なり、細胞機能に悪影響を及ぼす。皮膚の設計図ともいえるDNAが傷づくと正しい情報が伝わらず、肌の機能が損なわれ皮膚老化現象につながると考えられている。
 カネボウ化粧品は人が元来持っているDNAの修復機能に着目し、これをサポートする技術を確立した。紫外線によるDNAダメージと活性酸素によるDNAダメージの構造がまったく異なることを明らかにしたうえで、紫外線によるダメージには香藻のスギノリエキスが活性酸素によるダメージには天人花(写真)エキスがDNA修復を促すことを発見した。両エキスは最高級プレステージブランド「インプレス」に採用されている。さらなる技術革新を進め、新商品への採用につなげる。(中尾祐輔)


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