商店街の元気を取り戻したい
地方出身の人なら、お盆や年末年始の帰省の際に地元商店街のさびれゆく姿に心痛めた経験をお持ちのことだろう。若い世代だと、繁盛していた記憶さえないという人がいるかもしれない▼もちろん商店街衰退の大きな原因は、幹線道路沿いの大型スーパーや専門店、相次ぐコンビニの出店。ただそれだけではなく、原因はもっと複合的だ。『商店街はなぜ滅びるのか社会・政治・経済史から探る再生の道』(新雅史著)が詳しく分析している▼日米構造問題協議や財政投融資の地方へのばらまきなども大きな引き金だという。そして再生の道筋のひとつとして、「地域単位で協同組合が商店街の土地を所有し、意欲ある若者に土地を貸し出すとともに、金融面でもバックアップするというシステム」を提言している。後継ぎは息子や娘でなくていいというわけだ▼コンビニや通販で事足りるから商店街がなくてもいいと言う人は少ないはず。商店街は街のシンボルであり、住民連帯の空間的基盤にもなっている。大震災で壊滅的な被害を受けた三陸の町などで、プレハブや屋台の商店街が"街開き"すると、復興の象徴のように歓迎されるのはそのためだろう▼若くて元気な商店起業家がどんどん出てくる仕組みが必要だ。活気あふれる夕べの商店街、過去の遺産にはしたくない。