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2012年07月23日 前へ 前へ次へ 次へ

東洋エンジニアリング 石橋克基氏

「アジア中心から世界へ」
 ▽ 社長就任とほぼ同じタイミングで新中期経営計画が始動しました。
 「今春から4年後を見据えた新中計がスタートした。前中計を策定した3年前はちょうどリーマンン・ショック時で、顧客の設備投資が相次ぎ延期・凍結されたため、数値目標を掲げることが難しかった。しかし、過去2年で需要が回復し、新中計では数値目標を定めている」
 ▽ 基本方針は。
 「新中計のキーワードは成長。経済発展が続く新興国や資源国などを主要ターゲットに、4年後に純利益120億円を確保したい。その実現に向け海外グループ会社における設計・調達・建設(EPC)を強化する。当社の海外子会社はかつてローコストセンターの位置付けだったが、2004年頃からプロフィットセンターに転換した。この戦略をさらに推し進める」
 ▽ 各地のEPC拠点の現状は。
 「インドのEPC拠点は2000人の大所帯で、ハイドロカーボンなどの仕事は現地で完結できる体制を築いた。中国市場は外資エンジニアリング会社にとって参入障壁が高いが、当社は現地のトーヨーチャイナで実績を積んでいる。顧客は主に欧米・日系化学企業が多く、高い市場評価を得た。海外では近年、韓国勢などと競争が激化しているが、現在の為替水準では正直、価格面で厳しい。また、彼らは技術面で力をつけており、当社としてはコスト削減と差別化戦略で受注を確保する」
 ▽ 今後も海外拠点の充実が重要になってきますね。
 「2年前には北米地域を強化するためカナダ企業を買収した。今年2月にはインドネシアのエンジ会社の筆頭株主となり、受注体制を充実させている。6月にはブラジルでエンジ大手のSOGと合弁会社を設立した。ブラジルは高い経済成長が続き、ペトロブラスの活発な資源開発を背景に有望案件が多い。新会社では大規模プロジェクトの受注につなげたい。今後は東アジア地域を中心とした事業展開から、ワールドワイドな規模でビジネスを展開していく」
 ▽ 新しい事業分野について。
 「従来のハイドロカーボンのEPCにとどまらず、資源権益競争など開発段階から参画しバリューチェーンを広げる。既存油田のアセットマネジメントや、中規模LNG(液化天然ガス)の事業化を急ぐ。大規模LNGの開発が一巡するなか、中規模LNGが本格化するだろう。またマイクロGTL(ガス・ツー・リキッド)ではペトロブラス向けパイロットプラントで実証試験を進めており、来年の実用化を狙う」
 ▽ 肥料ビジネスが有望です。
 「アフリカのアンゴラで昨年、肥料製造プラントを受注した。世界人口の増加や都市化にともない、肥料プロジェクトが増えることは間違いない。当社は尿素ライセンスを持つ世界3大メーカーの一角で、約4割の市場シェアを握る。各案件に合わせてライセンス供与およびEPC受注を安定的に確保し同事業を発展させたい」
 (聞き手=堀口昇)

〔横顔〕
 入社後は多くの海外プロジェクトを手掛けてきた。海外駐在期間は出張ベースを足すと15年に及ぶ。納期に合わせるため半年間、無休で現場に張り付いたことも。「30歳代の若いときだからできた」と振り返る。趣味はスポーツ。かつて会社のサッカーチームではフォワードを担当した。今後も最前線で会社を盛り上げる。

略歴
〔いしばし・かつもと〕1977年(昭和52年)東京大学工学部機械工学科卒、同年東洋エンジニアリング入社。09年執行役員エンジニアリングセンター長、10年常務執行役員エンジニアリング統括本部長、11年海外営業統括本部長代行・米州営業本部長、12年4月副社長、6月社長就任。兵庫県出身、57歳。


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