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2012年07月20日 前へ 前へ次へ 次へ

アジア・ベンゼン市況・堅調継続

 アジアのベンゼン価格が堅調な推移を続けそうだ。高値が続く米国への輸出がアジア市況の底上げ要因の1つとなっており、この背景にある米国のタイトバランス解消も秋口以降になるとの見方が広がっている。米国ではパラキシレン(PX)の収益悪化がベンゼンの供給減を招いている上、アジアからの調達拡大も海上輸送能力の限界があり、需給バランスの緩和に時間を要している。
 ベンゼン価格のアジア・米国間格差は、年初来1トン当たり100ドル未満で推移していたが、5月に欧州でおこった装置トラブルにともなう需給ひっ迫を契機に拡大し、足元では300ドル以上にまで広がっている。
 米国は元来、ベンゼンの輸入ポジションにあるが、需給がひっ迫した欧州へ輸出を行ったことで在庫が圧縮された。さらに、パラキシレンの収益悪化を受け、不均化装置によるトルエンからの原料キシレン生産が縮小。これにともない、併産されるベンゼンの供給量が減少しており、需要バランスのタイト化が進んだ。
 こうしたなか、高値の米国市場へ向けて、韓国勢を先頭にアジアからの輸出拡大が試みられている。ただ、船舶など海上輸送能力には限界があり、急速な供給増は難しい状況。このため米国がタイトバランスを解消するのは、9月に入ってからになるとの見方が広がってきている。
 米国でタイトバランスが長期化することで、アジア・米国間のベンゼン価格差が、拡大以前の水準にまで縮小するのにも時間を要するとみられる。この結果としてて当面は、高い米国への輸出価格が、アジア価格を底上げすることになりそうだ。
 アジアのスポット価格は足元で1トン当たり1200ドル弱で、ナフサとのスプレッドは300ドルを超え高水準にある。5月初めは200ドルほどだったが、6月後半から拡大が顕著になった。


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