光ディスクのアーカイブ展開に注目
ビデオレコーダーやパソコンなどの記録媒体として利用される記録用CD、DVDの減少が止まらない。今春、日本記録メディア工業会がまとめた記録メディア製品の需要予測によると、2012年度のデータ用CDRの世界需要は前年比17%減の28億2400万枚、録音用CDRは同18%減の1億1300万枚、1度だけ書き込みができる追記型DVDは同13%減の32億6700万枚、書き換え型DVDは同20%減の1億8000万枚と軒並み2ケタの減少となり、今後も低迷が続くと予測している。
記録用CDやDVDなどの需要減少の要因にあげられるのが記憶容量の小ささ。画像や動画データの増加、音楽・ビデオコンテンツのネット配信の急増、デジタルオーディオプレーヤーの普及などが背景にある。
その一方で、記憶容量を最大100ギガバイトまで拡大したブルーレイディスク(BD)は国内需要の好調が続く。12年度の記録型BDの世界需要も前年度比39%増の2億6800万枚を予測している。ただBDレコーダーの普及は日本中心だけに、現段階では記録型BD市場は国内にとどまる。さらに薄型テレビにHDDを内蔵あるいは外付けすることでレコーダー機能を持たせることが可能になり、BDレコーダーの需要にも影響を及ぼしている。またBDドライブはパソコンへの標準搭載が進んでいないことから、海外では普及していないのが実情だ。
光ディスクメーカーの生産活動も停滞している。このところ、自社生産を行わず、台湾やインドなど海外メーカーに製造を委託するケースが増加し、同事業を縮小する企業も目立つ。
コンシューマー市場での需要増が期待できないなか、新たな取り組みも始まっている。三菱化学メディアは光ディスク市場としてアーカイブ分野に活路を見いだす考えだ。同分野では大容量のデータ保管が不可欠だが、ドライブメーカーやシステムインテグレーターと連携、大容量システムとして提案する。
富士フイルムは、コンピューターテープのさらなる大容量化に取り組んでいる。成長するアーカイブ市場を対象に、将来1巻で35テラバイトの大容量を実現するテープカートリッジの開発に取り組んでいく。
記録メディアメーカーは、ビデオテープやフロッピーディスクの時代から厳しい価格競争を強いられてきた。とくに光ディスク時代になると、海外から安価な製品が大量に流入することになって、コンシューマー市場で収益を上げることが困難になっている。付加価値の高いアーカイブ市場での展開に注目したい。