ニュースヘッドライン記事詳細

2012年07月18日 前へ 前へ次へ 次へ

アウトルック「MMAモノマー 14年 極度にタイト」

 メチルメタクリレート(MMA)モノマーの世界的な需給バランスは2014年に極度のタイトバランスに陥る見込みだ。中国をはじめとして堅調に伸びる需要に対し、供給面での拡大が追いつかないとみられる。14年末〜15年には三菱レイヨンがサウジアラビアで年産25万トンの超大型プラントを立ち上げる予定であり、2〜3年は若干需給バランスが緩和されるものの、それ以降も世界の経済成長にしたがって需要が拡大していくことで、再び需給は締まる方向に向かうとみられている。
 11年の世界需要は320万〜330万トン程度だったとみられる。そのうちアジア需要は180万〜185万トンと全体の過半を占める。中でも最大マーケットは中国で、40万トンものMMAが消費されている。昨年来、液晶テレビ関連の需要が停滞しているが、ポリメチルメタクリレート(PMMA)需要を盛り上げた導光板に使われるMMAは25万トン程度。これが若干凹んでも、自動車や建材関連需要が伸びていることから、全体に与える影響は軽微で、需給が緩むには至っていない。
 今年は旭化成がタイで年産7万トンプラントを立ち上げる予定だが、当初予定より遅れており、稼働が8月にずれ込む可能性も指摘されている。また米国ではルーサイトのボーモント工場の2系列のうち昨年立ち上げた系列(年産7万8000トン)に続き、もう1系列(同7万8000トン)を再稼働させる計画だが、こちらも外部要因により立ち上げが遅れている。今年の需給バランスにはほとんど影響しないことになりそうだ。
 MMA需要はアジアでは経済成長率以上、欧米でも経済成長率並みの伸びが見込まれる。自動車には1台当たりPMMAで1・5キログラム、二輪車で0・5キログラム使われ、さらには塗料としての需要もあるため、自動車生産の拡大にしたがって大きな伸びが見込まれている。建材や透明樹脂なども新興国を中心に堅調に伸びている。
 ただ、堅調な需要の伸びにも関わらず、すべてのMMAメーカーが利益を享受できるかは不透明。主要需要地が新興国へシフトするうえ、高い競争力をもった新製法プラントが立ち上がってくる。しかも、これまでサプライヤーのいなかった中東で三菱レイヨンが年末に25万トンプラントを立ち上げ予定であるなど、世界の需給構造は大きく変貌する。MMAは一般的にフレートコストの問題から米国からアジアなどといった遠方との取引が行われることは少なかった。今後は原料調達や製法、立地、規模などでプラントごとの競争力の差が際立ってくることも想定される。


Copyright(c)2010 The Chemical Daily Co., Ltd.