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2012年06月22日 前へ 前へ次へ 次へ

シンガポールの発展を見続けたマーライオン

 デンマークの人魚姫、ベルギーの小便小僧、シンガポールのマーライオンは、観光客の期待を裏切る「世界の三大がっかり」といわれる。頭部はライオン、体は魚という組み合わせは興味をそそるが、実物を見てしまえば、一風変わった噴水に過ぎないということになりがち▼だが、それは各地を回る観光客の感想で、現地に住んでいる人、なかでも駐在員にとっては別の感じを持っているのではないか。8年のシンガポール駐在時代、休日の運動はもっぱらサイクリングだった時期がある。グレートワールドを起点にシンガポール川に沿って、自転車を走らせる。クラークキーでは自転車を降りるか、遠回りしなければならないが、川沿いサイクリングは快適だった▼マーライオンはサイクリングのちょうど中間点にある。河口付近から斜め左に見えるその像は、素晴らしい景色のなかに溶けこんでいる。背景に見えるホテルは中央郵便局を大改装したもので、このホテルに向かう橋もしゃれて雰囲気がある。屋根がドリアンの形をしたシアターも景色に調和している▼マーライオンの先に目を移すと、ビルの上に船が浮くマリーナベイサンズがそびえる。都市開発は発展を続けるシンガポールの生命線。そう考えると、この生命線の歴史を見続けたマーライオンに威容すら感じる。


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