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2012年06月21日 前へ 前へ次へ 次へ

世界に広がる日本のGSC技術

 化学は豊かなくらし、経済発展に貢献してきたが、使い方を間違うと人の健康や環境に被害を与える。製造工程で発生する有害物質の影響も無視できず、社会から批判も浴びた▼海外の化学産業も同様な問題に直面した。そこで10年ほど前から、もっと人と環境にやさしい製品やプロセス開発を力を入れようとする取り組みが盛り上がった。日本ではグリーン・サスティナブル・ケミストリー(GSC)と呼ばれ、優れた技術や研究の表彰制度も始まった▼先週、GSCシンポジウムが都内で開催された。社会的認知度はともかく、化学に携わる研究者、技術者にとって目標となる賞として定着してきた。このなかで経産大臣賞を受賞したのが、三菱化学のエチレングリコール(EG)製造技術。既存プロセスの大量の水を使用すること、選択率89%という壁を破った▼新触媒開発で選択率99・5%を達成するとともに、プロセス排水やCO2を大幅に削減できる。ただ、国内のEG需要は激減し、海外も含めて同社の生産拠点で工業化される計画はなさそうだが、サウジ・ペトロラービグ向け技術供与に成功、活躍の場を見いだした▼複雑な気持ちは残るが、事業環境の変化は速い。技術だけで経営戦略は決まらない。優れた技術成果をどう生かすか、その取り組みにも期待したい。


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