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2012年06月21日 前へ 前へ次へ 次へ

国は食添の安全・安心に積極的役割を

 内閣府が提出した「食育白書」がこのほど、閣議決定された。これまでは子どもを主な対象した内容だったが、若者や高齢者まで幅広い年代層に視野を広げ、健康的な食生活を実践する教育のあるべき姿をまとめている。また、具体的に何をすべきかを提示した「食育ガイド」も新たに作成して、さまざまな角度から国民が食育に取り組む機会を支援している。
 食生活を豊かにする取り組みとして、家族などコミュニケーションを大切にすることなどに重点を置いてきた。一方で、食品加工に不可欠な食品添加物、健康機能性食材の役割はほとんど紹介されていない。総合的に"食"を考え、健全な生活を実践していくには、食品産業の社会的意義も十分理解させる教育があってもおかしくない。化学の力がもたらす恩恵も計り知れないが、必ずしも浸透していないのが現実だ。
 政府は2011年度から5カ年間の第2次食育推進基本計画を推進している。家族と一緒に食べる「共食」を週平均10回以上行うこと、メタボリックシンドローム予防・改善を目的に、運動の継続実施を国民の半分以上が行うなど11項目の目標値を示し施策を実行している。今年の白書では、生活者意識調査結果を分析して目標値への到達度合いとして示した。
 白書で取り上げた食品添加物と関わりある項目は、表示の適正化や安全性情報、リスクコミュニケーションといった情報提供のあり方などである。消費者への情報提供は重要だが、併せて添加物の有用性など正しい認識を得ることも同じぐらい重みがある。政府が科学的根拠に基づく審議を重ね、安全と認めた添加物や長年食生活に定着したものしか使われていない事実をもっと強調すべきである。過剰な不安を引き起こさないために、国が率先して取り組むべきではないだろうか。
 加工食品における保存料や着色料の不使用表示や無添加表示は後を絶たないことを指摘した。一方、改善が求められている食品ロス削減の重要性を強調している。この対策に保存料の役わりは大きいが、このような視点は盛り込まれていない。添加物に対する前向きな評価がもっとほしいところだ。
 16日-17日、横浜で開催された第7回食育推進全国大会では、和食の魅力、地産地消の食材による料理の実践などの企画が催された。大会には、日本食品添加物協会も参加、多くの消費者に広報の機会があった。協会の活動だけでなく、政府も添加物の果たしている役わり、安全・安心を積極的に発信して、保存料や着色料の適正使用を推進してもらいたい。


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