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2012年06月18日 前へ 前へ次へ 次へ

影の薄い父の日

 きのう17日は6月の第3日曜日。父の日だった。民間調査会社の調べでは、昨年のこの日にプレゼントや感謝の言葉を贈られたお父さんは全体の4割程度だったとか。母の日の方は5割を超えていて、浸透度には15%程度の差がある▼ともに20世紀初頭に米国で始まった習慣。まず母の日が先行し、父の日は3年ほど遅れた。米国では国民の休日だが、それが定められたのは母の日が1914年。父の日は、それから半世紀以上経った72年まで待たされた▼バレンタインデーやホワイトデーに代表されように、日本では「○○の日」のプレゼント習慣は、小売業界の逞しい商魂に誘導されている面が否めない。17日をめがけても百貨店やスーパー、ネット通販に至るまで「父の日ギフト」の宣伝が踊っていた▼その経済効果はどの程度か。古いデータだが、第一生命経済研究所の05年調査で1825億円。母の日は2377億円で550億円の開きがある。最近は市場規模が拡大しているのだろうが、差が開いたか縮まったかは気になるところ▼かつての日本では、親父は地震、雷、火事とならぶ怖い存在だった。家父長制の頂点に君臨して1年中威張っていられた。いわば毎日が父の日。年に1日だけ感謝される習慣が広がることは、存在感の低下の裏返しといえなくもない。


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