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2012年06月11日 前へ 前へ次へ 次へ

商品フォーカス リジン 需要2ケタ成長へ 中国牽引

 リジンの世界需要は、中長期的に2ケタ増の高成長が続く見通しだ。最大需要国となった中国で豚肉、鶏肉などの生産が伸長していることに合わせ、同国の需要は50万トンを突破。同国市場が牽引し、今年の需要量は約180万トンと前年比10%増となることが見込まれている。一方、供給面では中国や米国などのメーカー各社が年内に増産することを打ち出しており、計画通りの生産体制を敷くことで需給がゆるみ、市況は若干弱含むとみられる。
 リジンはトウモロコシやサトウキビ、タピオカなどから採れるアミノ酸で、豚、鶏などのトウモロコシなどがベースとなっている穀物飼料に配合すると栄養価が向上し、成長促進につながる。食品用途などもあるものの、99%以上が飼料向けに使われる。リジンを多く含む大豆粕の価格高騰の際にリジンを添加することで、大豆粕の使用量が低減され飼料コストの安定化につながる。
 リジンは、大豆粕とトウモロコシとの価格差(スプレッド)が大きいほど需要が増加し市況も上昇する。近年は大豆粕価格の高騰にともないリジン需要量が増加。昨年の需要は165万トンで10年より10万トン増えた。今年はトウモロコシは堅調に推移する一方、大豆粕が南米の高温乾燥懸念による生産量減少にともない上昇すると予測されており、スプレッドは前年比6割増の150ドル前後まで拡大。それにともないリジン需要は180万トンを突破する見込み。
 リジン需要量の増加を牽引しているのが、畜肉量が増えているといわれる中国だ。これまで地域別需要でみると欧州(中近東・ロシア・アフリカ含む)が全体の3割を占める最大市場で、中国が2番目と推定されていた。しかし人口増と経済成長に合わせて豚肉や鶏肉などの生産が伸長し、飼料用リジンの普及率も上昇。現在同国単体で50万トンを突破し、今年は55万トンまで需要が増加すると予想されている。
 一方、供給面では韓CJグループ、エボニック、米ADM、中国・梅花などが年内にリジン製造設備を増強することを公表しており、各社が予定通りの増産体制にすることで今年の需要量よりも50〜70万トン増えることが予想される。このため今年のリジン価格は2・25ドル(前年2・35ドル)と若干弱含むとみられる。


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