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2012年05月31日 前へ 前へ次へ 次へ

世界にアピールしたい日本の食文化

 政府は今年3月、日本の伝統的な食文化を、無形文化遺産登録としてユネスコに提案した。今秋に審査結果が示されるようだが、独自に育んだ文化だけに次世代に継承したい▼日本の食文化の定義は難しいが、まずコメということになろう。主食として温かいご飯を思い浮かべるが、餅など蒸した食品、そして日本酒などバラエティの広い素材でもある▼和食に欠くことのできないのが刺身。古代の若狭、志摩、淡路島は水田の少ない貧しい地域だったが、天皇の宴や食事に不可欠な新鮮な魚が豊富なことで優遇されていた。季節の山の幸も大切な役目を果たしている▼もう一つ忘れてならないのが、うま味とされる。中華料理の味付けにも使われており、東アジア料理の影の主役だが、「ダシが効いていない」という表現は和食独特らしい。さらに食品、食材に合わせて用意される食器、色彩を重視した盛り付けなど文化にふさわしい奥深さがある▼池田菊苗はグルタミン酸を発見を発見したが、うま味を大事にする和食の伝統は無視できない。この伝統を生かして日本製食品の品質は世界の最先端にある。これを支えてきたのが調味料を含めた食品素材だ。先週、東京で開催された「ifia」でも感じた。同様なことは日本米にも通じる。世界を舞台にもっと活躍してほしい産業である。


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