自己認証制度の広がりに期待する
日本建設機械施工協会などが設立したJCMA油脂規格普及促進協議会は、建設機械用グリースについて自己認証制度(オンファイルシステム)による運用を始める。建設機械用油圧作動油に続くもので、今年10月1日からグリース缶などへの性能表示が開始される。消費者の視点に立った自主的な取り組みは当該産業の発展にもつながるものであり、今後の進展に期待したい。
グリースの分類は、構成する成分(基油、増ちょう剤、添加剤)で分類する方法、「JIS K2220」のように用途で分類する方法、さらにISOによる品質分類がある。しかし、これらは必ずしも建設機械用として必要な要求性能を満たしておらず、そのため建設機械メーカー各社は独自の純正グリースおよび推奨グリースを市販の用途分類から推奨している。また、使用者からは給脂間隔を延長した近年の建設機械に適合し、かつ複数メーカーの建設機械に適合するグリースの品質規格が望まれているといったことが、今回の建設機械用グリース自己認証制度の背景にある。
これを受けて、日本で設計・開発された建設機械にこれまで以上に適合し、使用時の故障リスク低減につながるグリースの品質規格として「JCMAS GK・GKB」が制定された。10月1日からの性能表示に向けて4月から受け付けを開始している。
オンファイルシステムの運用に関して、建設機械用グリースのメーカーや販売会社は自主的に性能試験を行い、規定の要求性能を満たしていることを自らの判断と責任において表示する。同協議会は独自の運用マニュアルに従い、規格を適正に利用するよう働きかける。
業界挙げての自主的な取り組みとして、例えば印刷関連業界では日本印刷産業連合会の「グリーンプリンティング(GP)認定制度」がある。同制度は、昨年12月からはデジタル印刷物にも対象が拡大。これに続いて、今年に入り制度の一部は国のグリーン購入法の判断基準に採用され、今後の普及拡大に弾みがつくものとみられている。さらに印刷インキ工業連合会の「印刷インキに関する自主規制」(NL規制)は、国内外の規制強化の動きに歩調合わせて5年ぶりに改定。使用禁止物質をさらに拡大している。
建設機械用の作動油やグリースは印刷関連製品のように身近なものではないが、社会に欠かせない建築分野を支える重要な存在。強制力のない自己認証制度ではあるものの、顧客の立場を最優先とする同様な取り組みが、あらゆる産業で広がることを望みたい。