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2012年05月24日 前へ 前へ次へ 次へ

特異な米国の社会システム

 テレビの創生期に「アニーよ銃をとれ」という西部劇があった。第2次世界大戦前に映画化された作品が下敷きになっているが、主人公は実在の女ガンマンのようだ。この作品から、ミュージカル「ショウほど素敵な商売はない」が生まれた▼その米国で、銃を購入する女性が急増しているらしい。自分を守るのは男女同権という意識が浸透しており、オバマ政権の治安対策への不満もあって、銃の販売は記録的高水準という。子どもに銃を買い与えたり、自宅にプロを招いて拳銃パーティーが開催されていると聞くと、彼我の差に驚く▼米国だけに通用する特異な社会システムは数多い。医療制度も一つで、生命の危機に瀕した急患が病院に運び込まれても、患者の保険証次第で診察を拒否することは日常茶飯事という。国民皆保険が浸透している日本では信じがたい格差社会だ▼米国は独自のアイデアや実行力で誰もがトップを目指せる実力社会への信奉が根強く、成功した人物を賞賛するという遺伝子がある。一方で、欧州は社会民主主義的な手法に基づく福祉国家を模索してきた▼日本は欧州型を志向してきたが、その欧州は債務危機に苦しみ、大きな政府は見直しが避けられない。とはいえ、米国モデルは社会を荒廃させ、日本を暗くしそうである。覚悟が問われる時代だ。


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