DeNAの入場料返金チケットの波紋
ニューヨーク・マンハッタンの東に「マニーズ・カーウォッシュ」というライブハウスがあった。1990年代前半から2000年まで毎年のように出張する際、ここでブルースを聞くのが楽しみだった。週末は未明まで居座ったりもした▼ニューヨークに短期駐在したこともあり入場を取り仕切る関係者とも仲良くなった。早めに切り上げ「今日は、ブルースじゃないね」と言うと、入場料を返してくれた。スケジュールの都合で、いつもブルースのバンドが呼べるわけではなかったようだ。だが、しびれるようなブルースが聞けると、ウエートレスに多めにチップを支払ったりCDを買ってお返しした▼新球団DeNAの入場料返金チケットが話題になった。大型連休期間の毎試合50人に「負ければ全額、引き分け半額、勝っても不満なら半額お返し」のチケットは完売したが、結果は球団の思惑とは大きく外れるものとなった。期間中、チームは3勝1敗1分。とくに引き分けの試合は、中日の抑えのエース岩瀬から9回裏に2本の本塁打で同点としたものだけに返金を求めるのは筋違いではないか▼野球観戦という娯楽に、「日頃の節約精神を発揮してどうする」と外野から叫びたい。長引くデフレのなせる業か、「お代は見てのお帰り」という性善説は昔話になったようだ。