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2012年05月17日 前へ 前へ次へ 次へ

急務のシニア世代の活用策

 団塊世代が大量に退職する「2007年問題」は、定年延長や再雇用によって先送りされている感があるが、完全リタイアによる「2012年問題」として危機が迫っている▼この対策に元気なシニア世代の活用がある。蓄積した技術や技能を活用することで働く意欲を刺激し、社会保障コスト膨張に苦しむ国家財政にも貢献するはずだが、ミスマッチも多く、必ずしも期待通りに機能していない▼意欲的なシニア世代が現在の勤務への満足度は必ずしも高くない。企業活力研究所の調査では、障害や課題になるのは「自分を受け入れてもらえる仕事を見つけられるか」で52%を占める。一方で若手・ミドル層からは「過去の経験に固執」「柔軟性に欠ける」「事務的な仕事をしない」など不満が多い。どこの職場にもありそうだが、かつての部下に仕えることになればストレスも生まれ、お互い遠慮も出るだろう▼シニア世代の活躍の場を奪うことの弊害として、優れた技術やノウハウを持つ人材がアジア企業に転職することによる技術流出問題がある。訴訟も起きている。企業に余裕がなくなりリストラを進めた"しっぺ返し"という冷めた見方もある▼世界に先駆けた日本の超高齢社会の到来、しかも団塊世代が存在する。ピンチをチャンスにできるか、正念場である。


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